「明日、お目にかかりたいのですが、何時ごろでしたらよろしいでしょうか。」ビジネスシーンでよく使われるこの言葉。しかし、「お目にかかる」とは、謙譲語であり、自分の行動に「お」をつけても間違いではありません。「お会いする」「お会いになる」「会われる」など、似たような表現がたくさんあり、どれを使えば良いか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。この記事では、「お目にかかる」の意味と、他の表現との違いを分かりやすく解説します。ビジネスシーンで相手に失礼のない言葉遣いをしたい方は、ぜひ参考にしてください。
「お目にかかる」の意味と敬語
「お目にかかる」は、「会う」ことを謙遜して表す言葉、謙譲語です。つまり、相手に対して「お会いしたいです」と、自分の気持ちを低くして伝える表現です。自分の行動に対して使います。
・また、お目にかかりたいと思います。
・お目にかかることができて、嬉しく思います。
・今週中にお目にかかりたいのですが、よろしいでしょうか。
「お目にかかる」は、ビジネスシーンや目上の人とのやり取りでよく使われる丁寧な表現です。
「お目にかかる」とは自分の行動に対して使うのですね。謙譲語なのですね。
敬語の種類についておさらいしてみましょう。
【尊敬語・謙譲語・丁寧語】
尊敬語 | 相手のことを高めて敬意を表す | おっしゃる、お会いになる、いらっしゃる |
謙譲語 | 自分を低くして敬意を表す | 申す、お目にかかる、おる |
丁寧語 | 丁寧な言葉で敬意を表す | 言います、会います、います |
「お目にかかる」と似た表現との違いを比較
「お目にかかる」は、相手に会うことを謙遜して表す敬語表現です。ビジネスシーンや目上の人とのやり取りでよく使われます。「お目にかかる」以外にも、相手に会うことを表現する言葉はたくさんあります。これらの言葉は、場面や相手との関係性によって使い分けをします。
「お目にかかる」に似た表現についてみていきましょう♡
「お会いする」は「会う」の謙譲語
「お会いする」とは「会う」の謙譲表現です。「お会いする」と「お目にかかる」では「お目にかかる」の方がよりかしこまった丁寧な言葉遣いです。
「お会いする」とは「お〜する」「ご~する」のため謙譲表現と解釈できます。
・私は、田中さんとお会いする約束です。
・お会いして協議したいと考えています。
「お目にかかる」「お会いする」はともに謙譲表現ですが。「お目にかかる」の方がかしこまった敬語表現になります。
・担当の方にお目にかかりたいのですが、お願いできますか。
・担当の方にお会いしたいのですが、お願いできますか。
・お目にかかりたいと存じます。
・お会いしたいと存じます。
「お目にかかる」「お会いする」の使い分けは、
「お目にかかる」:目上の人や、初めて会う人など、特に敬意を払いたい相手に対して使います。
「お会いする」:取引先など、ある程度親しい間柄に対して使います。
「お会いできて」は「会う」の謙譲語
「お会いできて」とは、「お会いすることができて」という意味で、「会う」の謙譲語です。謙譲表現のため自分の行動に対して使います。
・久しぶりにお会いできて嬉しいです。
・お会いできましたことを嬉しく思います。
・本日、お会いできてありがたく思います。
【社外での会話】
ご担当の方にお会いできまして、安心いたしました。
そう言っていただけると、大変嬉しいです。
「お会いになる」「会われる」は「会う」の尊敬語
「お会いになる」「会われる」は「会う」の尊敬語です。尊敬語のため、自分ではなく相手の行動に敬意をしめす時に使います。目上の人の行動に対して使います。
・課長は、田中さんに会われましたか。
・課長は、田中さんにお会いになりましたか。
目上の人の行動に対して「お会いになる」「会われる」を使います。
ビジネスシーンで使える!「会う」の敬語の使い分け
「会う」の使い分けについて、例題をあげています。考えてみましょう。
誰の行動なのかと考えると理解しやすいです♡4問の例題を一緒にみていきましょう♡
例題1【社内での会話】
部長は、新しい取引先の田中さんにお会いしましたか。
お会いしましたか?
正しい使い方でしょうか。
適切な言葉遣いとは? こちらをクリックしてください。
正しくは「部長は田中さんにお会いになりましたか」
「お会いしましたか」は自分の行動に対して使います。行動の対象は部長=目上であるため、部長の行動に対して「お会いしましたか」は適切ではありません。
間違いやすいです。
例題2【社外の人との会話】
本日は、田中さんにお会いする機会をいただきまして、大変嬉しく思います。
田中さん
そう言っていただけると、大変うれしいです。
「お会いする」謙譲表現で適切に使えていますね!
例題3【社外での会話】
また、お目にかかれることを心待ちにしています。
田中さん
そう言っていただけると、大変うれしいです。
「お目にかかる」が謙譲表現で適切に使えていますね。「心待ち」を使うことで、より丁寧さが伝わりますね。
例題4【社内での会話】
部長は、新しい取引先の田中さんにお目にかかりましたか。
お目にかかりましたか?
正しい使い方でしょうか。
適切な言葉遣いとは? こちらをクリックしてください。
正しくは「部長は田中さんにお会いになりましたか」
「お目にかかりましたか」は自分の行動に対して使います。行動の対象は部長=目上であるため、「部長は田中さんにお目にかかりましたか」は適切ではありません。
間違いやすいです。
まとめ
「会う」の謙譲語「お目にかかる」「お会いする」についてみてきました。自分の行動に「お」がついているため誤った使い方に感じてしまいますよね。尊敬語の「お会いになる」「会われる」も謙譲語と似た言葉ですよね。行動の対象が誰なのかと考えるとわかりやすいです。「うれしい」や「光栄」も相手にあわせて適切に伝えられたらいいですね。