「お知らせいたします」は、ビジネスメールや社内文書でよく目にする丁寧な表現ですよね。「社内でも使えるの?」「お客様にはどう伝えれば失礼にならない?」使い方に迷う方も多いのではないでしょうか。この記事では、「お知らせいたします」の適切な使い方や敬語表現、言い換えや注意点を具体的な例文とともにご紹介します。
「お知らせいたします」の意味
「お知らせいたします」は、「知らせる」に丁寧な言葉を重ねた謙譲語の敬語表現で、相手に何かを知らせたりする際に使われます。ビジネスシーンでは、上司や取引先など、目上の人に対して特に多く用いられます。
この場合の「いたします」はひらがな表記が正解です。
「お知らせいたします」って自分の行動なのに「お」がつくから、正しい使い方なのか、うやむやにしたまま使っています。
誤用と感じる理由は「尊敬語」だと思っているからだと思います。
「お知らせいたします」と二重敬語について
「お知らせいたします」は、どういう敬語なのか?敬語のつくりについて説明していきます。
【謙譲語】お〜いたす、 「いたす」は「する」の謙譲語
・お〜いたすとは、「お伝えいたします」のラインの部分のことです。
(丁寧にするために「お」を付けて、「いたす」が謙譲語という理解でも問題ありません)
・謙譲語とは、自分を低めて相手を高め、相手への敬意を表すことです。以下も同じ謙譲語の使い方です。
・お送りいたします。
・お持ちいたします。
・お伝えいたします。
「お知らせいたします」は、正しい敬語の使い方のため、二重敬語にはなりません。
二重敬語とは、1つの言葉に同じ種類の敬語を2回重ねて使うことです。よく使われる二重敬語の例を下に挙げています。
【二重敬語の例】
・お伺いいたします
・ご覧になられました
・お見えになられました
・お帰りになられました
・お待ち申し上げております
ほかには、
「お伺いする」:謙譲語+謙譲語
「伺わせていただきます」も謙譲語+謙譲語になり二重敬語となります。
↓二重敬語について解説しています。参考にしてくださいね。
「お知らせいたします」を使う場面とよく使う例文
「お知らせいたします」は、相手に何かを伝える際の丁寧な表現です。特に、情報を伝達する、状況を報告する、変更を通知するといった場面で効果的に使われます。
【会議などの案内を伝える場合】
セミナーや会議の日程、場所などを知らせる際に使います。
・会議の日程についてお知らせいたします。12月25日(水)10時から会議室で開催予定です。
・セミナーの開催をお知らせいたします。1月10日(水)15時からオンラインにて実施いたします。
【変更や更新があった場合】
スケジュールや変更があった場合に、相手に情報を伝える時に使います。
・人事異動により〇〇が営業部に配属となりましたことをお知らせいたします。
・本日より、サービス内容を一部変更することになりましたので、お知らせいたします。
【報告や結果を報告する場合】
感謝や成果の報告を伝えたい場合に使います。
・皆様のご協力により、目標を達成いたしましたことをお知らせいたします。感謝申し上げます。
・資料を本日発送いたしましたので、お知らせいたします。到着まで今しばらくお待ちください。
【サービス終了や変更のお知らせ】
・プラン内容が変更となりますので、お知らせいたします。添付の資料をご確認ください。
・〇〇サービスですが、2025年2月末をもちまして終了させていただくことをお知らせいたします。
【注意喚起やお願いを含む案内】
注意事項やお願いを丁寧に伝える場合に使います。
・現在アクセスが集中しており、繋がりにくい状況となっておりますことをお知らせいたします。
以下の3つは「お知らせいたします」の基本的な表現です♡
「〇〇についてお知らせいたします」
〇〇の部分に伝える内容を具体的に入れて使います。
・明日の会議についてお知らせいたします。
・メンテナンスの実施についてお知らせいたします。
「詳細につきましては、後ほど改めてお知らせいたします」
現時点では詳細な情報がない、または詳細を伝える準備が整っていない場合に、概要のみをお伝えし、後日改めて詳細をお知らせすることを予告する表現です。
・会議について、日時のみ決定しております。詳細につきましては、後ほど改めてお知らせいたします。
・スケジュールに一部変更が生じる可能性がございます。詳細につきましては、後ほど改めてお知らせいたします。
内容が未確定であることを伝えるも、フォローアップを約束するニュアンスを含むため、信頼感を損なわない表現です♡
「変更点につきましては、下記のとおりお知らせいたします」
何かを変更した際に、その変更点を具体的に伝えるための表現です。通常、この後に変更点の一覧や詳細が続きます。
営業時間変更点につきましては、下記のとおりお知らせいたします。
変更前:9:00〜17:00
変更後:8:00〜16:00
↑例文を使う時の注意点♡
・「お知らせいたします」を使う際は、内容に応じてクッション言葉、「恐れ入りますが」「お手数をおかけしますが」を加えると、より丁寧な印象になります。
・メールや案内文で使用する場合は、結びの言葉も添えるとさらに自然な文面になります。
例:〇〇についてお知らせいたします。以上、ご報告となります。(←結びの部分)
「お知らせいたします」の言い換え・類語
「お知らせいたします」は、伝える内容の重要度や相手との関係性によって、他の表現に言い換えることもできます。
親しい間柄であれば「お知らせします」ですね♡
「お伝えいたします」
使い方:丁寧に何かを伝える際に使用します。ビジネスシーンやフォーマルな場面でよく使われます。
例文:承知いたしました。早急に手続きを進め、結果をお伝えいたします。
「ご連絡いたします」
使い方:相手に何かを伝える、連絡を取る際に使います。
例文:ご質問の件につきましては、明日までにご連絡いたします。
「ご報告いたします」
使い方:上司や関係者に対して、何かしらの結果や進捗状況を報告する際に使います。
例文:昨日の会議の議事録を、本日中にご報告いたします。
まとめ
「お知らせいたします」は様々な場面で使うことができます。状況に応じて適切な表現を選び、相手に分かりやすく情報を伝えるように心がけましょう。「お知らせいたします」の例文はビジネスシーンでよく使いますので、参考にしてみてください。