「ご確認いただけますと幸いです」は、ビジネスシーンでよく使われる丁寧な敬語表現ですが、正しく使えていますか?「確認してください」と直訳するのではなく、相手に配慮した柔らかな依頼の言葉として効果を発揮します。この記事では、「ご確認いただけますと幸いです」の意味、ビジネスシーンでの使い方、そしてより丁寧な表現や言い換えを、例文とともに詳しく解説します。この言葉を使う際の注意点もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
「ご確認いただけますと幸いです」の意味と敬語
「ご確認いただけますと幸いです」は、ビジネスシーンでよく使われる丁寧な敬語表現で、相手に何かを確認してもらいたい時に使います。相手に負担をかけないように、柔らかくお願いする言葉です。
「ご確認」:相手の行動のため「ご」が尊敬語になります。「ご〜いただく」で謙譲表現にもなります。
「いただく」:「もらう」の謙譲語です。「〜してもらいたい」という意味になります。
「幸いです」:「幸い」に「です」の丁寧語がついた言葉です。
「ご確認いただけますと幸いです」の使い方と例文
「ご確認いただけますと幸いです」は丁寧な表現のため、目上の人や上司、取引先など敬意を払う相手に対して使います。以下の時に使います。
・資料の確認をお願いする場合
・提案の確認をお願いする場合
・情報の共有をお願いする場合
・確認事項がある場合
・添付の資料をご確認いただけますと幸いです。
・提案内容をご確認いただけますと幸いです。
・会議の議事録を添付いたしますので、ご確認いただけますと幸いです。
・日程について、再度ご確認いただけますと幸いです。
・内容に誤りがないか、ご確認いただけますと幸いです。
【社内での会話】
次の出張の予定を変更いたしましたので、どうか、早めにご確認いただけますと幸いです。
了解しました。早めに確認しておきます。
「どうかご確認いただけますと幸いです」「何卒ご確認いただけますと幸いです」とは相手にお願いをする気持ちが強い時に使います。「どうか」「ぜひ」という意味になります。メールやビジネスで使います。
【取引先との会話】
変更点について、いつまでに確認したらよろしいでしょうか?
大変恐縮ですが、契約書の内容についてご確認いただけますと幸いです。不明点や変更点があれば、今週中にお知らせくださいませ。
「確認してもらえたらうれしいです」という意味になります。「大変恐縮ですが」を使うことで相手の負担を意識し、その上でお願いを伝えることで丁寧で謙虚な印象になります。
【補足です】「大変恐縮ですが」のように使えるクッション言葉です。
・恐れ入りますが
・申し訳ございませんが
・ご多忙のところ申し訳ございませんが
・お忙しいところ申し訳ございませんが
【社内での会話】
資料に誤りがあるようですので、おてすきの時にご確認いただきますと幸いです。
了解しました。資料のチェックをしてくれてありがとう。
相手のミスを遠回しに正してお願いする時ですね。相手のミスを優しく指摘しながら、丁寧にお願いをしていますね♡
「ご確認いただけますと幸いです」使う時の注意点
「ご確認いただけますと幸いです」を使う時の注意点は以下です。
より確実な依頼表現をする
相手に確認のお願いを強要していないため、必ず確認して欲しい時は、ほかの言い回しを使いましょう。
【ほかの言い回しの例】
・ご確認いただけますでしょうか。
・ご確認くださいますようお願いいたします。
・ご確認くださいますようお願い申し上げます。
・ご確認いただければと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
確認事項と期限を明確にする
「ご確認いただけますと幸いです」は、相手への配慮が感じられる表現ですが、強要していない言葉遣いのため、相手が何を確認すればいいのか、いつまでに確認すればいいのか、誤解が生じる可能性があります。使う時には、確認してもらいたいことや期限を伝えるようにしましょう。
・恐縮ですが、今週までに契約書をご確認いただけますと幸いです。
・恐れ入りますが、今週中までに資料をご確認いただけますと幸いです。
相手に明確な要求ができ、期限を共有することで、進捗状況や達成度について報告しやすくなりますよね。
「ご確認いただきたく存じます」の敬語表現
「ご確認いただきたく存じます」の丁寧な敬語表現の意味、使い方の特徴、例文をご紹介します。状況や相手との関係性によって使い分けてみましょう。
ご確認くださいませ
意味:「ご確認ください」の「ください」が命令されているように感じることもあるため、「ませ」がつくことで、優しい・やわらかい表現になります。
例文:恐れ入りますが、資料をもう一度ご確認くださいませ。
「~ませ」は女性が使う表現とされていましたが、現在では隔たり(へだたり)なく使われています。
ご確認いただければと存じます
意味:「してもらえれば」という仮定の意味を持ち、より丁寧な表現です。相手に委ねたニュアンスになります。「存じます」は、「思う」の謙譲語です。
例文:新しい資料ですので、ぜひご確認いただければと存じます。
ご確認いただければ幸いです
意味:「いただければ」は「〜してもらえれば」という意味です。
「幸いです」とは、「私はうれしいです」という丁寧語です。「使ってもらえたらうれしいです」という意味になります。
例文:こちらの商品についてもご確認いただければ幸いです。
ご確認くださいますようお願い申し上げます
意味:より丁寧な言葉遣いで、社外で使う方が適しています。メールで使うことが多い表現です。
「くださいますよう」とは「〜してくれますように」という意味です。
「くださいますよう」が丁寧でやわらかい言い回しのため、強制を感じさせない表現になります。
例文:こちらの資料をご確認くださいますようお願い申し上げます。
ご確認くださいますようお願いいたします
意味:丁寧な言葉遣いで、社外で使う方が適しています。メールで使うことが多い表現です。
「ください」が命令形ではなく、依頼の表現になっています。
・「お願いいたします」「お願い申し上げます」どちらも謙譲表現で同じくらい丁寧な言葉になります。
例文:恐れ入りますが、こちらの商品もご確認くださいますようお願いいたします。
会話中、メールでも使うことができますが、冗長的(じょうちょうてき)・長めの言い回しについてはメールで使うようにしましょう。
【取引先に確認依頼する時のメール】
「ご確認いただければ幸いです」「ご確認いただけましたら幸いです」との違い
「ご確認いただけますと幸いです」と似た言い回しで、「ご確認いただければ幸いです」「ご確認いただけましたら幸いです」があります。意味や丁寧さの違いについてみていきましょう。
ご確認いただけますと幸いです | 「いただく」は「もらう」の謙譲語 | 「ます」は丁寧語 | |
ご確認いただければ幸いです | 「いただく」は「もらう」の謙譲語 | 「れば」仮定 | |
ご確認いただけましたら幸いです | 「いただく」は「もらう」の謙譲語 | 「ます」は丁寧語 | 「たら」仮定 |
【意味】
・意味は、いずれも確認をしてもらえたらうれしいですになります。相手に確認してほしい時の言葉遣いです。
【丁寧さについて】
・上の表を見ますと、「ご確認いただければ幸いです」には丁寧語が1つ少ないことがわかります。より丁寧な言葉を使う時、例えば、お客様や上司、取引先の人には、「ご確認いただけますと幸いです」「ご確認いただけましたら幸いです」を使う方が良いでしょう。
まとめ
「ご確認いただきますと幸いです」とは、控えめでやわらかい表現のため、丁寧でよい印象を与える言葉遣いです。「ご確認いただければ幸いです」「ご確認いただけましたら幸いです」との違いや、言い換えについて紹介してきました。シチュエーションにあわせて適切な言い換えができたら良いですね。