ビジネスシーンで相手の依頼を断る際、「お力になれずすみません」だけで済ませてしまうと失礼になることもあります。状況によっては、より丁寧で相手に寄り添った断り方が必要です。この記事では、「お力になれずすみません」の意味と使い方、言い換えを例文と使い方のコツと共に解説します。
「お力になれずすみません」は、少し丁寧さが足りないような気がします。
そうですね。「お力になれずすみません」は親しい人向けに使いましょう。
ビジネスシーンでも「お力になれずすみません」を使いますが、ややカジュアルな表現です。誠意を込めた丁寧なお詫びの表現も使えると良いですね。
「お力になれずすみません」の意味
「お力になれず申し訳ございません」は、相手の力になれなかったことを謝罪する表現です。単に「すみません」と謝るよりも、より丁寧な印象になります。
「お力」の「お」は尊敬の表現(相手の力になれないため尊敬語になります)
「なれず」は、そうすることができないという意味です。
「すみません」は丁寧語です。
「お力になれずすみません」親しい人や同僚、バイト先などで使用します。
「お力になれず」の意味は「相手の力になることができない」ということですね。
「お力になれずすみません」の使い方と例文
「お力になれずすみません」は、以下の場面でよく使われます。
・依頼を断る時
・ミスや不手際があった時
・期待に応えられなかった時 などです。
・今回のご依頼はお受けできかねます。お力になれずすみません。
・目標達成に向けて努力したのですが、力及ばず。お力になれずすみません。
・現時点では弊社では対応が難しい状況でございます。お力になれずすみません。
相手の要求に応えられない時なので、丁寧にお断りするように心がけましょう♡
ビジネスシーンでは、相手に失礼な印象を与えないように、丁寧な言葉遣いを心がけることが大切です。そのため、日常会話でよく使う「すみません」という言葉は、ビジネスシーンでは控えたほうがよいとされています。
次は、ビジネスシーンでよく聞く言葉をピックアップしてみました。
「お力になれずすみません」の使い方は正しい?【例文1】
下記の例文の「お力になれずすみません」は正しい使い方でしょうか?
1)状況はーーー
相手は上司です。上司が新人のあなたに「この資料作成をお願いできるかな」と難しい課題を依頼してきました。
その時、あなたは上司に対して「私はまだ新人なので、お力になれずすみません」と伝えました。正しい使い方でしょうか?
答えはハートをクリックしてください♡♡♡
解答 上司がスキルを把握していない場合 「私はまだ新人なので、お力になれず申し訳ございません」ですが、 「かしこまりました、ご迷惑をおかけするかもしれませんが、精一杯頑張りますので、よろしくお願いいたします」という前向きな表現に言い換えてみましょう。
「お力になれずすみません」の使い方は正しい?【例文2】
下記の例文の「お力になれずすみません」は正しい使い方でしょうか?
1)状況はーーー
相手は親しい先輩です。あなたに「あと少しだけ手伝ってくれないかな」と依頼してきました。
その時、あなたは先輩に対して「今日は用事がありまして、先輩のお力になれずすみません」と伝えました。正しい使い方でしょうか?
答えはハートをクリックしてください♡♡♡
解答 親しい先輩に対しては「先輩のお力になれずすみません」のほうがかしこまらず、自然な表現です。
適切な使い方ですが、ほかの言い換えも挙げてみました♡↓
上の会話をみてみましょう。
親しい人との会話ならば、かしこまった表現ではなく「お力になれずすみません」の方が丁寧さの中にも親しみやすさがあり、親しい先輩とのコミュニケーションに適しています。
目上の人や取引先に対しては、なんと言えば良いですか?
「お力になれず申し訳ございません」などになります。敬語表現をみていきましょう♡
「お力になれずすみません」の敬語表現
「お力になれずすみません」の丁寧な言い換えです。いずれの表現も丁寧な敬語表現のため、目上の人や敬意を払う場面で使うことができます。
「お力になれずすみません」の言い換え♡
「お力になれず申し訳ございません」
使い方:「お力になれず」に「申し訳ございません」を加えると丁寧な表現になりますね。
・ご希望の日にご案内ができず、お力になれず申し訳ございません。
・ご希望の日程では調整が難しく、お力になれず申し訳ございません。
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「お力になれず残念です」
意味:「お力になれず残念です」は、相手の要望や依頼に応えられなかったことを、申し訳ない気持ちと残念な気持ちの両方を持って伝える表現です。「お力になれず申し訳ございません」よりもカジュアルな表現です。
・助けになりたいと思っていましたが、お力になれず残念です。
・ご要望にお応えできず、大変残念です。今後はより精進してまいります。
「お力になれず心苦しい」「お力になれず心苦しい限り」
「お力になれず心苦しい」は、相手の要望や依頼に応えられなかったことを、申し訳ない気持ちとそれを心苦しく思う気持ちを伝える表現です。
相手に強く共感ができる言葉ですね。
・助けになりたいと思っていましたが、お力になれず心苦しいです。
・ご要望にお応えできず、大変申し訳ございません。心苦しい限りです。
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「ご期待に沿えず/添えず」
「ご期待にそえず」は漢字で書く時は「沿えず」or「添えず」です。一般的には「沿えず」を使います。ひらがなを使うことでやわらかい表現になります。
・お客様のご期待にそえず、心苦しい気持ちでいっぱいです。
・本件について、ご期待にそえず申し訳ございません。次の機会であらためて協力させていただきたいです。
「ご要望に沿えず」
意味:「ご要望に沿えず」は、相手の要望や依頼に応えられなかったことを伝える表現です。「お力になれず心苦しい」「お力になれず残念です」よりフォーマルな表現です。
・ご要望に沿えなかったことを心からお詫び申し上げます。
・お客様のご要望に沿えず、誠に申し訳ございません。再度検討し、改善いたします。
「お力添えできず申し訳ございません」
「お力添えできず申し訳ございません」は、何らかのお手伝いや協力が期待されたが、それを提供できなかった際に謝罪の意を表現する言葉です。フォーマルな表現です。
・お力添えできず、誠に申し訳ございませんでした。
・お力添えいただいたにもかかわらず、残念な結果となり、申し訳ございません。
「また、お声がけしてください」を添えて、次につながる関係を築く
「お力になれずすみません」と断った後も、良好な関係を築き、次回の協力やサポートにつなげるためには、「また、お声がけください」という言葉を添えることが効果的です。
力になれなかった後でも良好な関係を維持し、次回の協力やサポートにつながりますね。
下記の例文を、ぜひ日常で使ってみてください!
・代わりに、何かお手伝いできることがあれば、おっしゃってください。
・今回はお力になれず申し訳ないです。次回の機会には喜んでサポートさせていただきます。
・次回もどうぞお気軽にお声をかけてください。良い関係を続けていきたいと思っています。
【社内での会話】
今回はお力になれず申し訳ないです。次回の機会には喜んでサポートさせていただきます。
私こそ、忙しいのにお願いして申し訳ないです。今度、またお願いするね。
次につながる言葉遣いを上手に使いましょう!引き続き良好な関係でいられますように♡
「お力になれずすみません」の丁寧な言い換え・類語
「お力になれずすみません」の丁寧な言い換えです。いずれの表現も丁寧な敬語表現のため、目上の人や敬意を払う場面で使うことができます。
「お力になれずすみません」の言い換え♡
お役に立てず申し訳ございません
意味:相手の期待に応えられなかったことや、何らかの不都合をかけてしまったことへの謝罪表現です。
例文:ご希望の商品が品切れで、お役に立てず申し訳ございません。
ご期待に添えず申し訳ございません
意味:相手の期待に応えられなかったことへの謝罪表現です。
例文:ご希望の商品が品切れで、ご期待に添えず申し訳ございません。
まとめ
「お力になれずすみません」、「すみません」は親しい人に使うのには適していますが、目上の人はフォーマルな場面では、言い換えをしましょう。また、謝罪をする際は、相手の状況を考慮し適切なタイミングで謝罪をしましょう。