「ありがとうございます」と「ありがとうございました」、一見同じ「ありがとう」でも、実は微妙なニュアンスの違いがあります。特にビジネスシーンでは、適切な使い分けが求められます。失礼な印象にないよう、正しい使い分けをマスターしましょう。
「ありがとうございます」「ありがとうございました」現在形、過去形なのかという点でしか考えていませんでした。
現在形と過去形という違いだけでなく、感謝の気持ちのニュアンスや状況によっても使い分けが大切です。
文法的な現在形・過去形という視点も重要ですが、しかし、それだけだと、ニュアンスの違いを捉えきれないことがあります。一緒にみていきましょう。
「ありがとうございます」の意味と使い方
「ありがとうございます」を使う時
現在の出来事に感謝する時
これから起こることへの感謝
継続していることに感謝する時 などに使います。
・私を幸せに育ててくれて、ありがとうございます。
・いつも、お取引いただきまして、どうもありがとうございます。
「ありがとうございました」の意味と使い方
「ありがとうございました」を使う時、
関係が終了する時
過去の出来事に感謝する時 などに使います。
・長年のご愛顧、ありがとうございました。
・先日はご出席していただきましてありがとうございました。
「ありがとうございます」「ありがとうございました」の違いのまとめ
「ありがとうございます」「ありがとうございました」の違いをまとめたのが以下です。
「ありがとうございます」
・日々の些細な親切や、まだ完了していないことへの感謝を表す時に適しています。
・相手との継続的な関係を意識したニュアンスを含みます。
「ありがとうございました」
・出来事や、もう完了してしまったことへの感謝を表す時に適しています。
・相手との一区切りついた関係を意識したニュアンスを含みます。
【社外での会話】
このたびも、良好なお取り引きをいただきまして、ありがとうございます。
こちらこそ、ありがとうございました。
ありがとうございました?
過去のことなので「ありがとうございました」の使い方は間違えていないのですが、相手のことを考えて言葉を選んでみましょう。
「ありがとうございました」は過去形であるため、「もう終わりです」「完結しています」というニュアンスが相手に伝わってしまう場合があります。今後の関係継続を期待している場合は注意が必要です。
「ありがとうございました」と過去形にすることで「もう終わりです、完結しています」という意味に相手がうけとめることがあります。それをどうしたらいいか考えてみましょう。
「ありがとうございました」+ 相手との継続的な関係を希望するフレーズ
「ありがとうございました」を使う時は、相手との継続的な関係を希望するフレーズを使うと良いでしょう。
感謝の気持ちに加えて、具体的な行動を伝えてみたり…
・今後も、ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
・ありがとうございました。またのご注文を心よりお待ちしております。
・ありがとうございました。今後も、ご協力をよろしくお願いいたします。
【社外での会話】
このたびも、良好なお取り引きをいただきまして、ありがとうございます。
こちらこそ、ありがとうございます。引き続き、お取引いただくことを心から願っております。
私どもこそ、どうぞよろしくお願いいたします。
過去の出来事に対して「ありがとうございました」でも良いのですが、継続を望む言葉をそえると更にいいですよね。
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まとめ
一般的には、「ありがとうございます」は現在進行中のことに対し、「ありがとうございました」は完了したことに対する感謝の言葉として使い分けます。
会社によっては、顧客との関係継続を目的として、「ありがとうございます」を統一的に使用する場合があります。
「ありがとうございました」を使う場合は、今後も関係を続けたい旨を添えるとより丁寧になります。