「わかりました」をさらに丁寧に言い換えると、「承知いたしました」「かしこまりました」になります。敬語表現を使う時とは、例えば、仕事中にお願いごとをされた時です。「わかりました」を使うのではなく「承知いたしました」を使いましょう。「わかりました」「了解しました」は親しい人に対して使う丁寧語です。「承知いたしました」「かしこまりました」は目上の人やビジネスの場で使いましょう。
相手に丁寧、明確に伝えるにはどうしたらいいのか、使い方のパターンについて後半で紹介しております。今回はビジネスの場、目上の人に向けて失礼にならない「わかりました」言い換え、例文についてみていきましょう。
「わかりました」とは
理解、承知、承諾、納得を表明する時に使います。相手に対して、「理解しました」と伝える時に使う丁寧語です。
「わかりました」は丁寧語なのですね。
丁寧語ですが、敬意が足りなく感じられるため、ビジネスの場では敬意を払った「承知いたしました」「かしこまりました」を使いましょう！
「承知」
「承知」の意味や使い方についてみていきましょう。
1）承知の意味
2）「承知いたしました」とは
「承知」の意味
「承知」の意味についてみていきましょう。
事情がわかっていること。依頼や要求を聞き入れること。承諾すること。
目上の人に対してや、ビジネスの場で使いましょう！
「承知いたしました」とは
「承知いたしました」は「承知しました」の謙譲表現です。より丁寧な言い回しであって、二重敬語ではありません。
「承知」＋「いたしました」
→「承知」に「いたす」が付くため謙譲表現になります。
使う時：相手の依頼を理解し指示や依頼などを引き受けるときに使います
「承る」には「受ける」「聞く」「伝え聞く」「引き受ける」謙譲の意味があります。「承知」には謙譲の意味がありません。二重敬語ではありません。
【社内での会話】
契約書を早めに確認したいから、今日中に提出してくれるかな？
承知いたしました。本日中に必ず提出いたします。
「承知いたしました」のあとに、自分の行動を伝えるといいですね。引き受けたことが強調され、責任感も感じられます。
「かしこまりました」について
「かしこまりました」の意味や使い方についてみていきましょう。
1）かしこまりましたの意味
2）「かしこまりました」とは
「かしこまりました」の意味
「かしこまりました」の意味についてみていきましょう。
目上の人、取引先の人からの依頼や指示を受けること、承諾すること。
お客様や目上の人、ビジネスの場で使いましょう！
「かしこまりました」とは
「かしこまりました」は「かしこまる」の丁寧語です。
身分の高い人、目上の人の前で、敬う気持ちを表して謹んだ（つつしんだ）態度をとる意味のため「承知いたしました」より丁寧な言い回しです。
使う時：相手の依頼を理解し指示や依頼などを引き受ける時に使います
「かしこまりました」には相手への厳格な敬意が含まれます。「承知いたしました」には、単に相手の指示を理解し引き受ける意味です。使う対象に気をつけましょう。
【社外での会話】
この件について詳しく知りたいので、資料出していただけませんか？
かしこまりました。今すぐお持ちいたします。
お客様に対しては「かしこまりました」が適切です。
「了解」について
「了解」の意味や使い方についてみていきましょう。
1）了解の意味
2）「了解いたしました」とは
「了解」の意味
「了解」の意味についてみていきましょう。
事情を理解し承認したり、納得すること。
「了解いたしました」とは
「了解いたしました」は「了解しました」の謙譲表現です。
「了解」＋「いたしました」
→「了解」に「いたす」が付くため謙譲表現になります。
使う時：「了解」は親しい人に対して使います。
相手の事情を思いやり納得・承認する時
「了解いたしました」は謙譲表現のため、目上の人に対して適切な言い回しですが、「了解しました」は親しい人に対して使うため、誤って使われているように思われます。「承知いたしました」を使いましょう。
【社内での会話】
明日の会議は、夕方より実施するため時間調整しておいてください。
明日の会議について了解しました。
了解？
なぜ？適切ではないのか考えてみましょう。
・相手の言葉を”おうむ返し”（同じことをいう）することで、傾聴している姿勢はとてもいいのですが、（目上の人に使うべきではなく）親しい人につかう「了解しています」を使っているためです。
【言い換えてみましょう】
”明日の会議について承知いたしました。ほかに気をつけることがありましたら、おっしゃってください”
”明日の会議についてかしこまりました。ほかに気をつけることがありましたら、おっしゃってください”
相手のことを考えて答えましょう。
「了解」と「承知」の使い分け
「了解」と「承知」の使い分けについてみていきましょう。
「了解」には相手の事情を思いやり納得・承認すること（事情を考えて引き受ける）
「承知」には相手の依頼を聞き入れること（依頼を聞くこと）
「承知」の方が単に引き受ける意味が強いのですが、意味の違いはあまりなく使われています。
「承知いたしました」「かしこまりました」を会話中での注意点
「承知いたしました」「かしこまりました」を会話中で使う時には、続ける言葉は自分の行動について具体的に伝えましょう。相手に明確に伝わりやすくなります。
【会話中での注意点】
・承知いたしました。今週中に対応させていただきます。
・承知いたしました。今すぐ対応いたします。
・かしこまりました。今日中に返信いたします。
・かしこまりました。確認し連絡させていただきます。
【社外の人との会話】
希望日は、11月1日です。いかがでしょうか？
ご希望の日にちは11月1日とのこと、かしこまりました。再度調整の上ご連絡させていただきます。
おうむ返しをすることで、相手の意見を承認します。
「承知いたしました」「かしこまりました」「了解」の使い分け
「承知いたしました」「かしこまりました」「了解」使い分けについてみてみましょう。
相手が誰なのか？と考えると使い分けできますよね♡
「承知いたしました」
目上の人・ビジネスの場で使いましょう。
「かしこまりました」
お客様・目上の人・ビジネスの場（承知いたしましたよりも丁寧です）
「了解しました」
友人・親しい間柄
「了解いたしました」
使わない方がいいです。（了解を誤って使っているように思われるため）
「承知いたしました」「かしこまりました」「了解」の例文
「承知いたしました」「かしこまりました」「了解」の例文についてみていきましょう。
【承知を使った例文】
- ご要望の件につきまして、承知いたしました。早速、検討いたします。
- ご要望の件につきましては、承知いたしかねます。
- 11月1日のご予約でございますね。承知いたしました。早速、手配いたします。
- 承知いたしました。ご要望とおり対応させていただきます。
- 貴社との打ち合わせの件、承知いたしました。
- ご依頼の件、承知いたしました。本日中に連絡させていただきます。
【かしこまりましたを使った例文】
- ご返品につきまして、かしこまりました。早速、ほかの商品を用意させていただきます。
- 11月1日のご予約でございますね。かしこまりました。早速、手配いたします。
- かしこまりました。ご要望とおり対応させていただきます。
【了解を使った例文】使う時は同僚・友人・親しい間柄・部下
- 14時からのミーティングの件、了解しました。
- 11月10日の予定について、了解です。
まとめ
「承知」「了解」どちらを使ったらいいのか考えてしまう時は「承知」を使ってみましょう。「わかりました」でも親しい人との間ならいいのですが、ビジネスの場では適切な言葉遣いができたらいいですね。ご参照いただけましたら幸いです。
