ビジネスシーンで相手の依頼や要求を受け入れる時には、どのような言葉を使うとよいのでしょうか?
ビジネスシーンでよく使われる「承知いたしました」とは、相手の依頼や指示を理解し、受け止めたことを伝える言葉です。例えば、上司から「この資料を明日までにまとめてほしい」と指示を受けた時に使います。また「承知いたしました」は二重敬語ではないかと疑問に思う人もいるかもしれません。
このブログでは、ビジネスシーンで使える「承知いたしました」の言い換えや使い方、例文について、二重敬語について詳しく説明します。ぜひ参考にしてください。
ビジネスシーンや日常会話で使います。相手の依頼や指示を理解し、受け止めたことを伝える言葉です。「わかりました」というニュアンスです。
「承知」(しょうち)の意味
「承知」を理解してから「承知いたしました」の意味についてみていきましょう。
「承知」 | ・依頼や要求を聞き入れること。承諾すること。 ※「承知」は1単語として扱われる時は謙譲語になりません。 |
「承知」は、相手の依頼や指示を理解し、受け止めたことを伝える言葉です。
「承知いたしました」「承知しました」の使い方
「承知いたしました」「承知しました」の使い方についてみていきましょう。
誰に使うのか | ||
「承知いたしました」 | 目上 上司 取引先の人 | 「承知」に「いたしました」の謙譲語をつけた言葉 |
「承知しました」 | 目上 上司 同僚 | 「承知」に「しました」の丁寧語をつけた言葉 |
※「承知いたしました」は謙譲表現のため、「承知しました」より丁寧になります。
※「承知いたしました」「承知しました」の違いは、相手によって使い分けることが大切です。
敬語の種類について、おさらいしましょう。
【尊敬語・謙譲語・丁寧語】
尊敬語 | 相手のことを高めて敬意を表す | おっしゃる、お会いになる、いらっしゃる |
謙譲語 | 自分を低くして敬意を表す | 申す、お目にかかる、おる |
丁寧語 | 丁寧な言葉で敬意を表す | 言います、会います、います |
「承知いたしました」とは二重敬語なのですか?「承知いたしました」をビジネスシーンで間違えないように使いたいです。
そうですね。「承知いたしました」が使えるように注意点と一緒にみていきましょう。
「承知いたしました」の例文
ビジネスシーンで使う「承知いたしました」の例文についてみていきましょう。
・承知いたしました。ご要望に沿えるよう準備させていただきます。
・承知いたしました。すぐに対応いたします。
・5月20日のご予約でございますね。承知いたしました。
・承知いたしました。10日までにご報告いたします。
・承知いたしました。明日までに作成します。
※「承知いたしました」の後に、具体的な対応や今後の予定などを述べることで、相手に安心感を与えることができます。
【取引先での会話】
来月の商品展示会に出展していただけますか?
承知いたしました。ご要望に沿えるよう準備させていただきます。
取引先の人に対しては「承知いたしました」を使うといいですね。
「承知いたしました」は二重敬語?
「承知いたしました」が二重敬語ではないかと疑問に思う人もいるでしょう。みていきましょう。結論から言いますと、一般的には「承知いたしました」は二重敬語とはみなされていません。
「承知いたしました」とは二重敬語ではないのですね。
詳しくみていきましょう。
二重敬語敬語とは
二重敬語敬語とは、同じ種類の敬語を2回重ねて使うことです。
○ 尊敬語+謙譲語
❌ 尊敬語+尊敬語(←2回重ねているので二重敬語です)
「承る」に謙譲の意味があります。「承知」には謙譲の意味はありません。「いたしました」は「する」の謙譲語。よって二重敬語ではないのです。
二重敬語がダメな理由
二重敬語がダメな理由についてみていきましょう。
二重敬語がダメな理由について
・まわりくどくなってしまうこと。
・まわりくどくなるので、真意が伝わりにくい。
・二重敬語を使うことじたいが配慮に欠けていると見受けられてしまう。
よく使われる二重敬語の例文
「お見えになられました」
「ご覧になられました」
「伺わせていただきます」
「お伺いいたします」
「承知いたしました」「承知しました」の言い換え
「承知いたしました」「承知しました」の言い換えについてみていきましょう。
目上の人 取引先の人 | ・ご依頼を承り、誠心誠意対応させていただきます。 ・ご要望を承り、精一杯努めさせていただきます。 ・かしこまりました。お受けいたします。 ・かしこまりました。喜んでお受けいたします。 ・承知いたしました。もちろんお受けいたします。 ・承知いたしました。お受けいたします。 ・承知しました。お受けいたします。 |
部下 親しい人 | ・了解です。 ・了解しました。 ・わかりました。 |
「承知いたしました」「承知しました」の注意点
「承知いたしました」「承知しました」の注意点についてみていきましょう。
上司から「資料を明日までに提出してほしい」と依頼された場合
適切な答え方はどれでしょうか?
A)「かしこまりました。明日までに提出いたします。」
B)「承知いたしました。明日までに提出いたします。」
C)「承知しました。明日までに提出いたします。」
D)「了解しました。明日までに提出いたします。」
答えはハートをクリックしてください♡♡♡
A,B,Cです
A)「かしこまりました」は上司、取引先の人、お客様に使います。
B)「承知いたしました」上司、取引先の人、目上の人に使うといいです。
C)「承知しました」上司、目上の人といいです。
D)「了解しました」は親しい人や部下に対して使いましょう。
注意点とは、「承知いたしました」と「承知しました」は、どちらも「わかりました」という意味の言葉ですが、丁寧さの度合いが異なります。そのため、相手によって使い分けをすることが大切です。
まとめ
「承知いたしました」について紹介してきました。「承知いたしました」が二重敬語であると考えている専門家の方もいます。相手にあわせて、ビジネスシーンでは、相手に失礼がないよう、「承知」や言い換えを使うようにしましょう。