「鑑みる(かんがみる)」ビジネスシーンで耳にする機会は多いですよね。しかし、「考える」との違いや、適切な使い方に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。この記事では「鑑みる」の使い方や意味、言い換えを詳しく解説します。ビジネスシーンで実際に使える例文も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
「鑑みる」「考える」とは、なんとなく使っていたけど、使い分けが難しそう。
みていきましょう♡
「鑑みる」と「考える」は一見似た意味を持つ言葉ですが、微妙なニュアンスの違いがあります。
「鑑みる」の意味と使い方
「鑑みる」で「かんがみる」と読みます。
「鑑みる」は、過去の事例や他人の経験などを参考にすることによって、物事を深く考え、判断したり、行動したりすることです。
具体的には、以下のようなニュアンスになります。
・反省点や改善点を見つける
・単に参考にするだけでなく、じっくりと検討する
・そこから学びを得て、自分の判断や行動に活かす
・過去の事例に鑑みて、判断しなければならない。
・前例に鑑みると、この企画は修正しなければならない。
・過去の失敗を鑑みて、同じ過ちを繰り返さないようにする。
・今回の失敗を鑑み、次回からはもっと慎重に計画を進めていきます。
・昨年の実績に鑑みた結果、本件の開発を進めていくことになりました。
・昨年のデーターに鑑みると、今年の売り上げの増加は一時的なものだと思われます。
【社内での会話】
この企画について、どうでしょうか?
そうですね。過去の事例に鑑みて、判断しないと、難しいですね。
「鑑みる」が適切に使えていますね。
「鑑みる」の使い方が難しいなと思いました?「鑑」を使った言葉「武士の鑑(ぶしのかがみ)」があります。みていきましょう。
「武士の鑑(ぶしのかがみ)」とは?
「武士の鑑(ぶしのかがみ)」とは武士の手本、見本という意味になります。「鑑」の訓読み(くんよみ)についてみていきましょう。「鑑」を訓読みにした時は「かがみ」「鑑みる」と読みます。「鑑」とは「武士の鑑」もあわせて考えると理解しやすいです。
・あの方は〇〇の鑑ですね。
意味:あの方は非常に立派で、人間として模範、見習うべきお手本の方ですね。
→〇〇の手本・模範という意味になります。
「鑑みる」は考えるだけではなく、先例・規範・模範・状況に基づいて、深く考えることです。相手に対して真摯(しんし)な気持ちが伝わりますね。
「鑑みる」ビジネスシーンでの使い分け
1)状況を判断・分析する際に使うフレーズ
「〇〇の状況に鑑みると、△△する必要がある」
この表現は、過去のデータや実績、現在の状況などを分析し、その結果に基づいて判断や行動をする必要がある時に使います。
例文:販売実績に鑑みると、顧客のニーズは変化しているため品開発の方向性を転換する必要がある。
2)提案や決定の根拠を示す際に使うフレーズ
「〇〇に鑑みて、△△を提案いたします」
この表現は、単に提案をするだけでなく、その提案の根拠となる具体的な事例やデータなどを示すことで、提案の説得力を持たせることができます。
例文:アンケートの結果に鑑みて、商品の改良を提案いたします。
3)方針や計画を変更する際に使うフレーズ
この表現は、当初の方針や計画を変更する時の説明をする際に使います。変更の理由を明確にすることで、関係者への理解を得やすくなります。
例文:お客様からの要望に鑑み、商品の仕様を変更いたします。
「鑑みる」と「考える」の違い
「鑑みる」と「考える」は一見似た意味を持つ言葉ですが、ニュアンスの違いがあります。
「鑑みる」:過去の事例や他者の経験などを参考に、より深く考えることを指します。
「考える」:単に物事を深く考えることを指します。
「鑑みる」は「考える」よりも、より具体的な根拠に基づいて判断や行動を行うことを意味します。
「鑑みる」の言い換え・類語
「鑑みる」の言い換えです。状況によっては、より適切な言い換えがあります。それぞれの特徴と例文を詳しくご紹介します。
「踏まえる(ふまえる)」
意味:経験や知識などを基にして判断や行動を行うという意味です。
例文:現状を踏まえて、この企画を進めていきたい。
「熟考する(じゅっこうする)」
意味:十分に考えること。
例文:熟考した結果、本企画は延期することにしました。意味は十分に考えた結果、延期になりましたになります。
似ているけど、少しずつ意味が異なりますね!
まとめ
「鑑みる」は、過去の事例などを参考に今の状況をよく考えるという意味の言葉です。「鑑みる」を使うことで、慎重に検討した結果を伝え、相手に真摯な気持ちが伝わります。ぜひ、正しく使って、上手にコミュニケーションを取ってください。