「させていただいております」は丁寧な表現だけど、正しいのかな？二重敬語ではないか、正しい使い方が分からないという声をよく聞きます。上司やお客様との会話で、つい敬語に迷ってしまうことはありませんか？この記事では、「させていただいております」の疑問をスッキリ解決します。「させていただいております」の意味と使い方を詳しく解説し、さらに、ビジネスシーンで実際に使える例文も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
「させていただいております」とは、丁寧な言葉だと思うけど、正しい言葉遣いですか？
「させていただいております」は、ビジネスシーンで使える正しい言葉遣いです。
「させていただいております」は、二重敬語に感じるかもしれませんが、正しい敬語になります。「させていただいております」の使い方や例文もあわせてみていきましょう。
「させていただいております」の意味と使い方
「させていただいております」の意味は、「〜させてもらっています」という丁寧な敬語表現です。目上の人、上司、取引先に対して使い、現状を伝える時に使います。
例えばですが、このような時に使います。
「会議の日程について、調整させていただいております」と使います。意味は、「会議の日程について、調整させてもらっています」になります。
「させていただいております」は二重敬語なのか？
「させていただいております」は二重敬語なのでしょうか？つくりをみていきましょう。
「させていただいております」の「いただく」は「もらう」の謙譲語、「おる」は丁重語になります。「ます」は丁寧語です。そのため二重敬語にはなりません。
二重敬語とは、1つの言葉に同じ種類の敬語を2回重ねて使うことです
二重敬語とは、1つの言葉に同じ種類の敬語（尊敬語＋尊敬語などです）を2回重ねて使うことです。よく使われる二重敬語の例を下に挙げています。
【二重敬語の例】
・お伺いいたします
・ご覧になられました
・お見えになられました
・お待ち申し上げております などがあります。
二重敬語について紹介しています♡
「いただく」は「もらう」の謙譲語、「おる」は丁重語です
丁重語（ていちょうご）とは、自分側の動作をより丁重に述べることです。「おる」は丁重語です。
謙譲語と丁重語の違いが、わからなくなってきました。
一緒に確認しましょう♡
謙譲語：自分がへりくだる敬語表現で、自分を下（した）にすることで、相手を立てます。目上の人やお客様に対して使うのが一般的です。
丁重語：相手に対して丁寧に話すための言葉遣いです。相手を立てるというよりは、話し言葉を丁寧にする役割です。
「させていただいております」を使う時の注意点
「させていただく」を使う時は、相手に許可を得なくて良い時や、それによって、自分に恩恵（利益）がない時には、「させていただく」を使うのは控えるようにしましょう。
↑どういうことなのでしょうか？下記の会話をみてみましょう♡
【社内での会話】
私の都合で恐縮なのですが、明日の会議の時間を変更させていただいております。
了解です。
上の会話をみてみましょう
相手の許可を得ている：上司の「了解です」という発言から、会議時間の変更に対する許可を得ていることが明確です。
恩恵を受ける事実・気持ち：会議時間の変更によって、自身に「時間的な余裕ができる」「調整がしやすい」などの恩恵を受けることが想定されます。
↑そのため、上の会話では「させていただいております」を使ってもOKなのです♡
もし、上記の2つの条件が揃わない時は、謙譲語の「いたします」を使いましょう。
「させていただいております」の例文
「させていただいております」を使ったビジネスシーンの例文です。それぞれの使い方をみてみましょう。
「させていただいております」適切な使い方の例文です♡
・お客様のご要望にそうため、商品の仕様を一部変更させていただいております。
意味合い：お客様の許可を得て、商品仕様を変更するというニュアンスになります。「お客様のご要望に沿うため」とは、お客様にとって仕様変更がメリットであることを示しています。
・お客様のご指示通り、書類を修正させていただいております。
意味合い：許可がお客様のご指示になります。恩恵が書類の修正です。
使い方が難しいですね。
言い換えが使えるようになると良いですよ♡
「させていただいております」の言い換え
「させていただいております」は、「〜させてもらっています」という意味の敬語表現です。状況によっては、言い換え表現を使う方が適切な場合もあります。「させていただいております」がまわりくどく感じることもありますので、言い換えも使えると良いでしょう。
「いたします」
「いたします」「させていただきます」は、どちらも謙譲表現ですが、「いたします」を使うには、2つの条件の定めがありません。
・皆様と会議の資料を共有いたしました。
・明日のミーティングの資料をご提示いたします。
「いたします」の方がスッキリしますね♡
「しております」
「しております」は動作が進行中、継続している表現で「しています」の意味になります。「いる」の謙譲語「おる」に丁寧語「ます」がついた表現です。目上の人に使う表現です。
「しております」を使うには、2つの条件の定めがありません。
・成功をお祈りしております。
・お会いするのを楽しみにしております。
関連記事です。敬語の使い方について詳しく解説しています♡
「しています」
「しています」は、動作が進行中、継続している表現になります。丁寧語「ます」がついた敬語表現です。「しております」の方がより丁寧です。
・資料を作成しています。
・今、席をはずしています。
まとめ
「させていただいております」は、丁寧な敬語表現ですが、使う時には注意が必要です。相手の許可と恩恵という2つの条件を満たしていることを確認してから使用するようにしましょう。状況によっては、より具体的な表現に言い換えることで、より気持ちが伝わりやすくなることもあります。適切に使えたら良いですね。
