ビジネスシーンで上司やお客様との会話でこそ、丁寧な言葉遣いを心がけたいものです。「お伺いさせていただきたいです」は、尋ねる時や訪問する時によく使われる表現ですが、二重敬語になっていないか、考えたことはありませんか?
この記事では、「お伺いさせていただきたいです」の意味、正しい使い方、言い換え、例文、そして二重敬語について、わかりやすく解説します。
「お伺いさせていただきたいです」は、丁寧な言葉なので、使っても良いのかと思っていました。
「お伺いさせていただきたいです」は、丁寧な表現ですが二重敬語です。
「お伺いさせていただきます」は、丁寧な表現のつもりで使われることが多いですが、実は二重敬語になります。正しい使い方をみていきましょう。
「お伺いさせていただきたいです」の意味
「お伺いさせていただきたいです」は、
「伺う」:「相手に何かを尋ねたり、意見を確認したり、訪問したりする」という意味の謙譲語です。
「させていただく」:「相手から許可、恩恵を受ける」という意味の謙譲語です。
「させていただく」を使うには、2つの条件があります。
1)相手の許可が必要なこと
2)恩恵を受ける事実や気持ちがあることを満たすことが条件となります。
「お伺いさせていただきたいです」を使うには、2つの条件を満たす必要があるのですね。
その通りです。「させていただく」の記事に分かりやすく解説しています♡
「お伺いさせていただきたいです」は、二重敬語
「お伺いさせていただきたいです」の構成についてです。
↓二重敬語になってしまう理由です♡
二重敬語とは、1つの言葉に同じ種類の敬語を2回重ねて使うことです。
1)「伺う」は、謙譲語のため、自分の動作が対象になります。そのため「お」伺いの「お」の部分も、謙譲語になります。
2)「お伺い」は、謙譲語+謙譲語になり二重敬語となります。
3)「させていただきます」は、「させてもらう」の謙譲語です。
「お伺いさせていただきたいです」は、敬語に敬語を重ねている表現になります。
「お伺いさせていただきたいです」は、丁寧な表現として使われますが、実は二重敬語(三重敬語)になっており、本来は控えたい表現です。
しかし、慣習的に使われていることも多く、文部省の敬語指針でも許容されています。
丁寧な印象を与えたい場合に「お伺いさせていただきたいです」は、よく使われますが、三重敬語になってしまうため、あまりおすすめできません。
相手によっては違和感を感じる人もいるので、状況に応じて言い換えることを考慮しましょう。
【二重敬語の例】
・お伺いいたします
・ご覧になられました
・お見えになられました
・お帰りになられました
・お待ち申し上げております などがあります。
ほかには、
「伺わせていただきます」:謙譲語+謙譲語
「お伺いしてもよろしいでしょうか」も、謙譲語+謙譲語 で二重敬語になります。
「お伺いさせていただきたいです」の正しい使い方は、「伺います」「伺う」になります。
「お伺いさせていただきたいです」の正しい使い方は、「伺います」「伺う」です
「お伺いさせていただきたいです」の正しい使い方は、「伺います」「伺う」になります。使い方をみてみましょう。
「尋ねる(聞く・質問する)」:相手の意見や情報を謙虚に求める際に使う時
・恐れ入ります、本日伺ってもよろしいでしょうか?
・会議について、いくつか伺いたいことがございます。
・恐れ入ります。明日の会議について、いくつか伺います。
「行く・訪問する」:自分が行くことをへりくだる時に使います
・契約書の確認があるため、10時に伺います。
・明日、10時に御社に伺う予定でございます。
・本日午後、伺いますのでよろしくお願いいたします。
↑すっきりした、わかりやすい表現になりますね♡
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「お伺いさせていただきたいです」のほかの言い換えはありますか?
もっと好印象な言い換えがありますので、紹介します♡
「お伺いさせていただきたいです」の言い換え、類語
相手との関係性や状況に合わせて、適切な表現を選ぶことが大切です。「お伺いさせていただきたいです」の言い換えについてみていきましょう。
言い換え表現を少し多めに挙げています。参考にしてみてください♡
「伺いたいです」
伺いたいです
意味:話を聞くことを丁寧に伝える表現です。
使い方:目上の人や、丁寧な言葉遣いを心がけたい相手に対して使います。
例文:資料について伺いたいのですが、よろしいでしょうか。
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「伺ってもよろしいでしょうか」
伺ってもよろしいでしょうか
意味:丁寧な言葉遣いで許可を求める表現です。
使い方:相手に何か質問したい時、相手の意見や考えを聞きたい時に使います。
例文:「来週のミーティングについて、伺ってもよろしいでしょうか」と先輩に尋ねる。
「お尋ねします」
お尋ねします
意味:相手に何かを尋ねたり、意見を求めたりする時の丁寧な表現です。
使い方:自分が目上に人に尋ねる時は、謙譲表現になります。
例文:お忙しいところ申し訳ございません。〇〇についてお尋ねしてもよろしいでしょうか。
「お尋ねしたいのですが」
お尋ねしたいのですが
意味:質問する前に断りを入れ、丁寧さを表す表現です。「お尋ねします」よりも丁寧な印象です。
例文:お忙しいところ恐縮ですが〇〇について、お尋ねしたいのですが、よろしいでしょうか
「教えていただけますか」
教えていただけますか
意味:相手に何かを教えてもらいたい時に使う丁寧な表現です。
使い方:目上の人や、丁寧な言葉遣いを心がけたい相手に対して使います。
例文:○○の件について、もう少し詳しく教えていただけますか。
「ご教示いただけますか」
ご教示いただけますか
意味:相手に何かを教えてもらいたい時に使う丁寧な表現です。
使い方:目上の人や、かしこまった場面で、何かを教えてもらいたい時に使います。
例文:来週のスケジュールについてご教示いただけますか。
まとめ
「お伺いさせていただきます」は二重敬語となるため、正しく使うことが大切です。
「お伺いさせていただきます」の場合、「お」、「伺う」が謙譲語であるにもかかわらず、「させていただきます」という謙譲語がさらに重ねられています。
「お伺いさせていただきます」を使うよりも、状況に合わせて、適切な言い換え表現を使う方が良いかと思います。