「思われます」は、ビジネスシーンで自分の意見を伝える際に、相手に失礼なく、客観的に表現できる丁寧な言葉です。しかし、使い方を間違えると、相手に失礼に当たったり、自分の意見が伝わらない可能性も。この記事では、「思われます」の意味や使い方、ビジネスシーンでの注意点などを、具体的な例文とともに解説します。
「思われます」って、正しい使い方?敬語なんですか?
「思われます」は敬語ですよ。丁寧な表現にしたい場合や、確実なことが言えない場合に、「思われます」を使うことで、相手に配慮した感じにはなりますよね。
「思われます」の意味
「思われます」は、「思う」と「れる」と「ます」で成立しています。
「れる」の助動詞には、「受身」「可能」「尊敬」「自発」の意味があります。
「ます」は丁寧語です。
↓「れる」は、複数の意味を持ちます♡
1)「受身」
意味:他者からそのように思われている状態。
例文:「先輩は優しい人だと思われます」(周囲からそう評価されている)
2)「可能」
意味:「〜することができる」という意味合いです。
例文:「資料の準備は夕方までに完了できると思われます」
3)「尊敬」
意味:相手の発言や考えを尊重して、その内容を丁寧に伝える。ビジネスシーンでは、相手の意見を尊重し、自分の意見を控えめに述べる際に使います。尊敬の意味合いです。
例文:「先輩は、〇〇について、そう思われますか?」
4)「自発」
意味:自分がそうだと思うこと、自然にそう思ってしまうこと。
例文:「美しい風景を見て、心が洗われるように思われます」
ビジネスシーンでは自発の「れる」がよく使われます。
ビジネスシーンで「思われます」を使うと丁寧で客観的な感じになりますよね?
そうですね。それが「思われます」の自発の「れる」の使い方です♡
なぜ「思われます」は客観的な表現になるの?
「思われます」の「れる」は、主に「自発」の意味で使われ、「自然にそうなってしまう」といったニュアンスを表します。この「自発」の意味を使うことで、
客観的な表現:自分の意見を押しつけずに、客観的な印象を与える。
推測や仮説:確実な根拠がない場合に、自分の考えを控えめに伝えることができます。
もう少しわかりやすく説明します♡
例えば、
「彼はきっと嬉しいだろう」という気持ちを、「彼は嬉しいと思われます」と自発の「れる」を使うと、自分の気持ちを相手に押しつけがましくなく伝えることができます。
自発の「れる」は、あることが自然に起こったり、誰かの意志とは関係なく起こったりする様子を表します。「思われます」の場合、「思う」ということが、話者の意志ではなく、何かしらの理由や状況から自然に起こっているように感じられることを表しています。
「思われます」の使い方と例文
「思われます」は、おもに以下の意味合いでよく使われます。
推測する場合:「~から考えて、~と思われます」という意味合い。
可能性を示唆する場合:「~という可能性も考えられます」という意味合い。
謙遜する場合:自分の意見を押しつけがましくなく、控えめに伝える。
・今日の会議は、スケジュール通りに完了すると思われます。
・この企画は、より多くのお客様にアピールできると思われます。
・この企画は、もう少し検討が必要だと思われます。
「思われます」は、相手への配慮を感じさせる表現ですが、状況や文脈によっては、誤解を生んだり、意図と異なる印象を与えてしまう可能性もあります。
状況によって使い分けることが大切です。
例えば、上司に報告する時は、「この案件は成功すると思われます」よりも、「この案件は成功する可能性が高いと考えられます」と言う方が、より自信を持って意見を述べているように聞こえてきます。
「思われます」を使う時の注意点
「思われます」を使う時の注意点♡
・過度な使用は避ける:「思われます」を過度に使用すると、自信がないように思われてしまうことがあります。
・自信のない意見を伝える際は注意する:根拠のない意見を「思われます」と表現するのは避けましょう。
ビジネスシーンでは、特に重要な意思決定や報告に関わる場面では、「思われます」の使い方は慎重に行う必要があります。なぜなら、「思われます」という言葉は、相手に確信を与えにくく、曖昧な印象を与えてしまう可能性があるからです。
「思われます」と「〜存じます」の使い分け
「思われます」の「れる」は尊敬の意味合いも持つため、例えば「私は〇〇したいと思われます」というように、自分の意見を述べる際に使用するのは適切ではありません。
理由:自分が主体となる文で「思われます」を使うと、自分が自分の行動を尊敬しているような、不自然な印象になったり、主体性が欠けた意見のように聞こえてしまいます。
では、自分の意見を述べる際にはどのような言葉を使えば良いのでしょうか?
謙譲語の「〜存じます」を使います。
自分の考えや気持ちを控えめに表現したい場合に適しています。「私は〇〇だと存じます」のように使うことで、相手への敬意を示しつつ、自分の意見を述べることができます。
【社内での会話】
〇〇について、ご意見ももっともだとは思いますが、私は〇〇だと存じます。
貴重な意見をありがとう。
「思われます」の言い換え
「思われます」以外にも、同じような意味を伝えることができる表現がたくさんあります。より確信的で具体的な表現を使うことで、相手に正確な情報を伝え、信頼感を高めることができます。
確信のある場合:
・「~だと判断します」 使い方:より客観的な意見を述べたい時に使います。
・「~だと考えられます」使い方:自信を持って結論付けたい時に使います。
・「~という結論に至りました」使い方:調査や検討の結果、結論を述べる時に使います。
可能性を示す場合:
・「~の可能性が高い」使い方:起こる可能性が大きいことを示したい時に使います。
・「~の傾向が見られます」使い方:過去の事例から傾向が読み取れることを示したい時に使います。
根拠を示す場合:
・「~というデータから、~ということが分かります」
・「~から基づいて、~ということが分かります」
元の文:彼は企画に熱心であると思われます。
↓言い換えると
・彼はこの企画に熱心であると考えられます。
・彼の企画への貢献や発言内容から、彼はこの企画に熱心であるということが分かります。
「思われます」を言い換えると、より的確で説得力がありますね♡
まとめ
「思われます」は、相手への配慮を感じさせる表現ですが、状況や文脈によっては、誤解を生んだり、意図と異なる印象を与えてしまう可能性もあります。 特に、ビジネスシーンなどでは、より客観的で確実にするために、「~だと考えます」や「~と判断されます」などの表現が適切な場合があります。 また、自分の意見であることを明確にするために、「私は~のように考えています」と付け加えることで、より責任感のある表現になります。「思われます」を使う時の参考にしてみてください。