「ご案内申し上げます」は、ビジネスシーンでよく使う丁寧な表現ですが、正しく使っていますか?「この案件について、改めてご案内申し上げます」など、様々な場面で活用する言葉ですが「より丁寧な表現に言い換えたい」「二重敬語になっているのではないか」と、心配ではありませんか?この記事では、「ご案内申し上げます」の正しい使い方から、状況に合わせた言い換え表現まで、例文とあわせて解説します。ぜひ参考にしてください。
「ご案内申し上げます」ってどんな時に使います?
「ご案内申し上げます」は、書面でよく見かける丁寧な表現ですね。特に、ビジネスシーンでの報告書や案内状、メールなどで使います。
「ご案内申し上げます」の意味
「ご案内申し上げます」は、相手に何かしらの情報などを伝える時に使う丁寧な表現です。
「ご案内」の「ご」は謙譲表現。
「申し上げる」は謙譲語です。
「ます」は、丁寧語です。「ご案内申し上げます」は、正しい敬語表現です。「丁寧にご案内いたします」という意味になります。
「ご案内申し上げます」の使い方と例文
「ご案内申し上げます」は、丁寧な敬語表現のため、目上の人や敬意を払う場面で使います。
・新商品の発売
・サービスの変更
・契約内容の変更
・会議やセミナーの日程案内 などでよく使われる表現です。
・会議の詳細につきまして、来週初めにご案内申し上げます。
・お申し込みの手続きにつきましては、別途メールにてご案内申し上げます。
・サービス内容の変更点につきましては、今月中メールでご案内申し上げます。
・セール期間の詳細やお願いについては、ウェブサイトにてご案内申し上げます。
「ご案内申し上げます」は二重敬語なのか?
「ご案内申し上げます」は、二重敬語なのでしょうか?敬語をみていきましょう。
「ご案内」の「ご」は謙譲表現。「申し上げる」は謙譲語です。
「ご〜申し上げる」で1つの謙譲表現になるため、二重敬語ではなく正しい敬語表現になります。
二重敬語とは、1つの言葉に同じ種類の敬語を2回重ねて使うことです。よく使われる二重敬語の例を下に挙げています。
【二重敬語の例】
・お伺いいたします
・ご覧になられました
・お見えになられました
・お帰りになられました
・お待ち申し上げております
ほかには、
「お伺いする」:謙譲語+謙譲語
「伺わせていただきます」も謙譲語+謙譲語になり二重敬語となります。
二重敬語について紹介しています。参考にしてくださいね♡
「ご案内申し上げます」が、使いやすく・好まれる理由
「ご案内申し上げます」が使いやすく、好まれる理由としては、丁寧な敬語表現であり、汎用性が高く、わかりやすいからです。
1)「ご案内申し上げます」という一言で、相手に対して「これから何かをお伝えします」という意図が明確になります。
2)書面で使うことで、よりフォーマルな印象を与え、文書の信頼性を高めます。(会話でも使います)
3)丁寧な言葉遣いは、相手に安心感を与え、スムーズなコミュニケーションになります。
ビジネスシーンでは、正確で丁寧な情報伝達が求められます。「ご案内申し上げます」は、それにぴったりな敬語表現です♡
「ご案内差し上げます」との違い
「ご案内差し上げます」は、「ご〜差し上げる」で謙譲表現です。「差し上げます」がやや上から目線になるため、同じ意味合いで使うのならば「ご案内申し上げます」の方が安心して使えます。
・商品のカタログを、ご案内差し上げます。
・弊社の製品について、詳細なご案内を差し上げますので、しばらくお待ちください。
「ご案内申し上げます」の敬語表現
「ご案内申し上げます」の言い換えです。いずれの表現も丁寧な敬語のため、目上の人や敬意を払う場面で使うことができます。
ビジネスシーンでよく使う表現を集めました♡
「ご案内させていただきます」
「ご案内させていただきます」の「させていただく」は謙譲語で、正しい使い方になります。「させていただく」は丁寧にしたい気持ちが強くなり、使いすぎないように気をつけましょう。
「させていただく」には、相手の許可が必要なこと、恩恵を受ける事実や気持ちがあることが使う時の条件となります。使い方に悩む時は「ご案内いたします」を使うと良いですね。
・セミナーの詳細について、ご案内させていただきます。
・ご不明な点がございましたらお声掛けください。丁寧にご案内させていただきます。
「ご案内いたします」
「ご案内いたします」は、ビジネスシーンで会議や案内をする時によく使われる謙譲語の表現です。「案内する」を「ご案内いたします」と表現することで、自分が相手に対して丁寧なサービスを提供していることを強調しています。
・サービス内容についてご案内いたします。
・会議室は、こちらになりますので、ご案内いたします。
「ご案内申し上げます」の言い換え・類語
「ご案内申しあげます」は、汎用性の高い表現ですが、状況によってはより適切な言い換えがあります。いずれも丁寧な表現でビジネスシーンでよく使います。
「ご説明いたします」
「ご説明いたします」とは、詳細な説明が必要な場合や、相手に理解してもらう必要がある場合に使用します。
・新製品の機能について、ご説明いたします。
・本日の研修内容について、ご説明いたします。
「ご紹介いたします」
「ご紹介いたします」とは、人や物、情報を初めて紹介する場合に使用します。
・当社の新製品をご紹介します。
・本日は、新入社員の皆さんをご紹介いたします。
「お知らせいたします」
「お知らせいたします」とは、
・重要事項や通知など、相手に知っておいてほしい情報を伝える際に使用します。
・一方的な情報伝達に適しています。
・明日の臨時休業について、お知らせいたします。
・商品の入荷状況につきましては、随時お知らせいたします。
「ご連絡いたします」
「ご連絡いたします」とは、連絡や報告をする際に使用します。
・詳細は追ってご連絡いたします。
・スケジュールについては、あらためてご連絡いたします。
それぞれの特徴と例文、使い分けのポイントを理解し、適切な表現を選択することで、より丁寧で分かりやすく伝えることができます。
まとめ
「ご案内申し上げます」は、相手に何かを伝えたりする際に用いる丁寧な敬語表現です。「これからお話をする内容について、ご説明いたします」という意図を、簡潔かつ丁寧な言葉で伝えることができます。二重敬語でもなく正しい敬語表現のため、この記事で紹介した表現を活用し、ビジネスシーンに活かしてみてください。