「失礼ながら」は、ビジネスシーンでよく使われますが、相手に失礼にならないか心配ですよね。特に目上の人に対しては、丁寧な言葉遣いが求められます。この記事では、「失礼ながら」を正しく使いこなすためのコツや、より丁寧な言い換え表現を、具体的な例文とともにご紹介します。相手に失礼なく、自分の意見をしっかりと伝えるための参考にしてください。
「失礼ながら」の意味
「失礼ながら」は、相手に意見を述べたりする際に、相手に対して敬意を払いつつも、同時に自分の発言が相手にとって不躾(ぶしつけ)に聞こえるかもしれないという謙遜の気持ちを込めた表現です。
「失礼」:礼儀に反する、無礼なという意味ですが、この場合は「ご気分を害されるかもしれない」という意味合いになります。
「ながら」:「〜にもかかわらず」「〜ではあるが」という意味です。
「失礼ながら」の使い方とビジネスシーンでよく使う例文
「失礼ながら」は、相手に対して敬意を払いながらも、自分の意見を率直に述べたい場合に使う言葉です。具体的にどのような場面で使えるのか、いくつかのパターンに分けて解説します。
具体的な例を交えて、より詳しく「失礼ながら」の使い方を解説しています♡
1)相手の意見や行動に対して、疑問を投げかける時
例文:この資料のデータ、失礼ながら、少し整合性がないように思えるのですが、どのように考えられていますか?
2)自分の意見が相手と異なる場合に、その意見を述べたい時
例文:この案件について、失礼ながら、もう少し慎重に進めるべきではないかと考えております。
3)相手の意見や行動に対して、やんわりと異議を唱えたい時
例文:おっしゃることもごもっともですが、失礼ながら、〇〇という点も考慮に入れると、より良いのではないでしょうか。
4)相手の言動に疑問を感じ、丁寧に理由を尋ねたい時
例文:失礼ながら、なぜそのような結論になったのか、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか?
↑この使い方は丁寧にいいですよね♡
5)確認したい時
例文:失礼ながら、次回の会議は来週の金曜日と理解してよろしいでしょうか。再度ご確認いただけますか?
↑上の例文の使い方のコツ♡
「失礼ながら」の後に続く言葉を選ぶことが重要です。例えば、「~のように思えるのですが」「~と考えております」「~ということも考えられます」といった表現は、相手への配慮を示し、より丁寧な印象になります。
1)について、相手の意見を尊重しつつ、丁寧に疑問点を提示していること。
2)について、相手の意見を否定せず、別の視点からの提案として述べていること。
3)について、相手の意見を認めつつ、異なる意見を柔らかく提示していること。
4)について、相手の意図を正確に把握したいという姿勢を示していること。
「失礼ながら」は、やや反問の時に使うので、気をつけていても、相手に失礼にならないか心配になります。
心配になりますよね。そんな時は、
・質問の仕方を柔らかくする
・より丁寧な言葉に言い換えてみることです。
質問の仕方を柔らかくするには、どうしたら良いのでしょうか?
例えばですが、「先輩、この資料のデータについて、少し伺ってもよろしいでしょうか?」のように、間接的に質問してみることです。
「失礼ながら」ビジネスシーンで使える丁寧な言い換え6選
「失礼ながら」は、意見を述べたりする際に、相手への敬意を示しながら、少し控えめなニュアンスを添える表現です。目上の人や上司、取引先に対して使う時はより丁寧な表現や、言い換えが求められることがあります。
「失礼とは存じますが」
意味:「失礼とは存じますが」は、何かを尋ねたり、意見を言う際に、相手に気遣い、失礼のないようにと配慮する敬語表現です。「存じます」は「思う」の謙譲語です。
例文:失礼とは存じますが、この商品の納期について、再度確認させていただいてもよろしいでしょうか。
「僭越(せんえつ)ながら申し上げます」
意味:自分の立場や能力が相手よりも低いことを自覚しつつ、意見や提案をする際に使う言葉です。「申し上げる」は「言う」の謙譲語です。
例文:僭越ながら申し上げます。この件について、私なりの意見を述べさせて頂きたいと思います。
「出過ぎたことを言うようで、恐縮ですが」
意味:自分の発言が相手にとって不適切、あるいは余計なお節介に思われるかもしれないという謙遜の表現です。
例文:出過ぎたことを言うようで、恐縮ですが、この件については、もう少し慎重に進めるべきではないでしょうか。
「差し出がましいようですが(さしでがましいようですが)」
意味:自分の発言が相手にとって不躾(ぶしつけ)であったり、余計なお世話に当たるかもしれないという謙遜の表現です。
「ようですが」を付け加えることで、柔らかい表現となり、「余計なことを言っているかもしれない」という気持ちを控えめに出すことができます。
例文:差し出がましいようですが、会議の進め方について、少し疑問に思う点があります。
「ご意向に沿わない提案かもしれませんが」
意味:相手に対して何か提案をする際に、自分の提案が相手の考えや希望と一致しない可能性があることを謙遜する表現です。「ご意向」の「ご」は尊敬語になります。
例文:ご意向に沿わない提案かもしれませんが、納期を〇〇に変更していただくことは難しいでしょうか。
「ご無礼をお許しください」
意味:相手に迷惑をかけたり、失礼なことをしてしまった際に、心から謝罪する表現です。
例文:遅い時間に連絡をしてしまい、ご無礼をお許しください。
まとめ
「失礼ながら」は、相手に敬意を払いながらも、自分の意見を率直に伝えたい時に使う言葉です。しかし、使い方を誤ると、相手に失礼にあたってしまう可能性もあります。状況に応じて、適切な言葉を選び、丁寧な言葉遣いを心がけることが大切です。