「〇〇さんは、お休みをいただいております」…この言葉、取引先への電話でつい使ってしまいがちですが、実はビジネスシーンでは誤った表現です。この記事では、ビジネスシーンでの「お休みをいただいております」の伝え方を、具体的な例文とともにわかりやすく解説します。社外対応の際に役立つ、正しい敬語の使い方をマスターしましょう。
社外からの電話応対で「お休みをいただいております」って、ずっと使っていましたが、間違いなんですね。
そうですね。例えば「〇〇は終日不在にしています」と言うといいですよ♡
「お休みをいただいております」の意味と敬語
「お休みをいただいております」は、お休み、休暇であることを丁寧に伝える表現です。
「お休み」の「お」は、文脈によって尊敬語にも謙譲語、美化語にもなります。
「いただいて」は、「いただく」は「もらう」の謙譲語です。「おります」の「おる」は「いる」の丁重語で、「ます」は丁寧語です。
「お休みをいただいております」は、正しい敬語表現です。
「お休みをいただいております」のNGな使い方と例文
「お休みをいただいております」という言葉は、文法的には正しい敬語表現です。しかし、使う場面によっては不適切になる場合があります。たとえば、社外の人との電話応対で「〇〇は、お休みをいただいております」と使うのは誤りです。理由は以下です。
1)社外の人に対して、自社の事情(休んでいること)を謙譲語で表現する必要はありません。
2)休みは会社から与えられるものではなく、従業員が自ら取得するものです。そのため、「いただく」という表現は適切ではありません。
「お休みを頂戴しております」も同じような考え方です。
【「お休みをいただいております」のNGな例・取引先との会話】
〇〇さん、いらっしゃいますか?
〇〇は、お休みをいただいております。
お休みをいただいております…?
身内の人(社内の人)に対して「お休みをいただいております」は、正しくありません。
「お休みをいただいております」の正しい使い方と例文
「お休みをいただいております」という表現は、社外の人へ自社の事情(休んでいること)を伝える際に、謙譲語を使う点で適切ではありません。この場合の適切な使い方をみていきましょう。
・申し訳ございません。〇〇は本日休んでおります。
・申し訳ございません。〇〇は休暇をとっております。
・申し訳ございません。〇〇は終日不在にしています。
・申し訳ございません。〇〇は休みをとっております。
「申し訳ございません」をつけることで丁寧で、相手に配慮していることが伝わります♡
「お休みをいただいております」はいつ使う?使える場面とは?
「お休みをいただいております」が使えるのは、「いただく」の謙譲語が使える時になります。例えば、社内で目上の対して使う時などです。
・休日出勤中に上司に会った時:休日に会社に出勤し、上司と偶然会った際などに使用します。
・電話やメールで連絡を取る:休暇中に上司に連絡を取る際、冒頭などに添えると丁寧です。
休日出勤して、たまたま上司も出勤してて「今日どうしたの?」とか聞かれた時ですね。
今日どうしたの?
いえ、本日はお休みをいただいております。たまたま用事がありまして
ビジネスシーンでよく使う「お休み」の例文
【自分が会社を休む時】
・体調不良のため、お休みさせていただきます。
・来週の金曜日は、私用のためお休みをいただく予定です。
【休暇中の上司に連絡をする時】
・お休み中に失礼いたします。〇〇案件について伺いたいことがありまして、よろしいでしょうか。
・お休みのところ、大変申し訳ございませんが、〇〇について伺いたいことがありまして、よろしいでしょうか。
・お休みのところ申し訳ありません。急なお願いで恐縮ですが、〇〇について教えていただけますでしょうか。
【休暇中の相手に連絡する時】
・お休みのところ大変恐縮ですが、少しだけ伺いたいことがございます。
・お休みのところ大変恐縮ですが、件名の件でお伺いしたいことがございます。
まとめ
「お休みをいただいております」は、丁寧な言葉遣いをしようとするあまり、誤って使われやすいケースの一つです。敬語の意味や使い方を正しく理解し、状況に合わせて適切な言葉を選ぶことが大切です。