ビジネスシーンで上司や先輩、取引先などに質問する場面は数多くあります。そんな時に役立つのが「お教えいただけますでしょうか」という丁寧な表現です。しかし、正しい使い方や二重敬語になるかどうかなど、意外と迷ってしまうポイントもあるかと思います。この記事では、「お教えいただけますでしょうか」の意味、使い方、ビジネスシーンで使える言い換え表現、メール文についても詳しく解説します。
「お教えいただけますでしょうか」は、正しい敬語ですか?
「お教えいただけますでしょうか」は、ビジネスシーンで使える丁寧な敬語です。二重敬語ではありませんよ♡
二重敬語についての解説は、こちらです。
「お教えいただけますでしょうか」は、相手に何かを教えてもらう際に使う丁寧な依頼の言葉です。二重敬語ついても解説していますので、一緒にみていきましょう。
「お教えいただけますでしょうか」の意味と使い方
「お教えいただけますでしょうか」は、
意味:「教えてもらえますか」という意味です。相手から何かを教えてもらいたい時に使う表現です。
使う時:目上の人や取引先、ビジネスシーンで丁寧な言葉遣いが求められる時。
「教えてください」よりも丁寧な表現です♡
「お教えいただけますでしょうか」は、以下のような時に使います。例文と一緒にみていきましょう。
「お教えいただけますでしょうか」の例文
「お教えいただけますでしょうか」の例文をみていきましょう。
・〇〇の資料の内容について、お教えいただけますでしょうか。
・新製品の使用方法について、お教えいただけますでしょうか。
・議事録の作成手順について、お教えいただけますでしょうか。
・セミナーの参加方法についてお教えいただけますでしょうか。
・この業務の手順について、詳しくお教えいただけますでしょうか。
・恐れ入りますが、利用料金について、詳しくお教えいただけますでしょうか。
相手に敬意を払いながら、教えてもらう時に使う丁寧な表現です。特に、目上の人や取引先などに対して使うと、より丁寧な印象になります。
【取引先との会話】
もしよろしければ、〇〇の製品の仕様について詳しくお教えいただけますでしょうか。
かしこまりました。
上の会話の良いところ
1. 丁寧な依頼:クッション言葉「もしよろしければ」と「お教えいただけますでしょうか」という表現を使うことで、相手に敬意を表し、丁寧な依頼であることが伝わります。
2. 具体的な質問:「〇〇の製品の仕様について詳しくお教えいただけますでしょうか」と、具体的な質問をすることで、相手にわかりやすい質問をしています。命令形「教えてください」ではなく、依頼形であるため、相手も答えやすくなります。
「お教えいただけますでしょうか」を使う時のコツ
・目上の人や取引先、フォーマルな場面などで使います。
・クッション言葉をあわせて使い、丁寧な言葉遣いを心がけること。
・質問や確認の内容を具体的に伝えることで、相手に理解してもらいやすくなります。
【取引先へ・質問のメール例文】
件名:【ご質問:〇〇について】
〇〇株式会社
〇〇様
いつも大変お世話になっております。△△株式会社の田中です。
先日は、〇〇の件でご丁寧にご説明いただき、誠にありがとうございました。
早速、社内で検討を進めております。
お手数ですが、下記の詳細についてお教えいただけますでしょうか。
1. 〇〇について
2. 〇〇について
お忙しいところ誠に恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。
「お教えいただけますでしょうか」は二重敬語?
「お教えいただけますでしょうか」は二重敬語か、どうかみていきましょう。
「いただく」は「もらう」の謙譲語
「ます」は丁寧語、「でしょうか」は丁寧語で、「〜だろうか」という意味になります。
「ます」と「でしょうか」を重ねて使うので、二重敬語になると思いがちです。
「ます」は「いただく」を丁寧にしています。「でしょうか」は「だろうか」の丁寧語です。そのため「でしょうか」は「ます」を丁寧にするために使われていません。
二重敬語とは、1つの言葉に同じ種類の敬語を2回重ねて使うことです。そのため二重敬語にはなりません。
二重敬語とは、1つの言葉に同じ種類の敬語を2回重ねて使うことです。よく使われる二重敬語の例を下に挙げています。
【二重敬語の例】
「お伺いする」:謙譲語+謙譲語
「伺わせていただきます」も謙譲語+謙譲語になり二重敬語となります。
・お伺いいたします
・ご覧になられました
・お見えになられました
・お帰りになられました
・お待ち申し上げております などがあります。
「お教えいただけますでしょうか」は、正しい敬語ですが、人によっては適切ではないと感じている方もいるので、相手との関係を考えて使うようにしましょう。
「お教えいただけますでしょうか」の敬語表現
「お教えいただけますでしょうか」は、丁寧な依頼の表現です。以下のような敬語表現も使うことができます。
「お教えいただけますでしょうか」の敬語表現の意味と例文を一緒にみてきましょう。
「お教えくださいませ」
意味:相手に何かを教えてもらうようにお願いする表現。
使い方:「お」がつくことで丁寧になりますが、「教えてください」は命令形です。「ませ」がつくことでニュアンスが柔らかくなります。社内で使うのが適切です。
例文:〇〇の資料について、お教えくださいませ。
「くださいませ」を使うことでニュアンスが柔らかくなります。
「お教えいただきたく存じます」
意味:「教えていただきたいと思います」という丁寧な表現です。
使い方:「お」がつくことで丁寧になり、「いただく」は謙譲語。「存じる」は「思う」の謙譲語、「ます」は丁寧語です。
例文:この問題について、より詳しくお教えいただきたく存じます。
「お教えいただけますと幸いです」「お教えいただければ幸いです」
意味:「教えていただけると嬉しいです」という意味です。相手の都合を考えた丁寧でやわらかい表現です。相手が忙しい時、依頼することに抵抗がある時に使える表現です。
例えばですが、以下のような表現も相手に配慮した表現です。
・もしよろしければ、ご教示いただけますと幸いです。
丁寧に伝えながら、相手に無理を強いないというニュアンスです。
相手に無理にお願いせず、相手の判断に委ねる表現もマスターしましょう♡
・商品の仕様につきまして、お手数ですが、お教えいただけますと幸いです。
・ご多忙中とは存じますが、セミナーの内容についてお教えいただければ幸いです。
「お教えくださいますでしょうか」「お教えいただきますでしょうか」
「お教えくださいますでしょうか」「お教えいただきますでしょうか」はどちらも同じくらい丁寧に依頼をする表現です。
両者には微妙なニュアンスの違いがあります。「お教えくださいますでしょうか」は、
【尊敬語】お〜くださる、「~してくれる」の尊敬語
「〜くださる」は、聞き手への尊敬を表す尊敬語です。相手の行動が主体の時に使います。
・この資料について、詳しくお教えくださいますでしょうか。
・恐れ入りますが、明日のご予定について、お教えくださいますでしょうか。
「くださる」「いただく」の違いについての記事です。参考にしていただけたら嬉しいです。
「教える」の言い換え・類語
「お教えいただきますでしょうか」は、「教えてもらう」丁寧な依頼の表現です。状況によっては、より具体的な表現を使うことで、より伝わりやすくなります。
言い換えも使えるようになりましょう♡
お尋ねいたします
意味:「質問する」という意味合いです。目上の人や、かしこまった場面で使う表現です。
例文:恐れ入りますが、この書類の書き方についてお尋ねいたします。
ご説明をお願いいたします
意味:ある事柄について、その内容や意味をわかりやすく伝えることを依頼する丁寧な表現です。
例文:資料作成について、ご説明をお願いいたします。
ご指導いただけますでしょうか
意味:相手に何かを教えてほしい、アドバイスしてほしいとお願いする丁寧な表現です。
例文:この案件の進め方について、ご指導いただけますでしょうか。
お聞かせいただけますでしょうか
意味:相手に情報や意見などを求める丁寧な表現です。
例文:提案の背景や理由について、詳しくお聞かせいただけますでしょうか。
ご教示(ごきょうじ)いただけますでしょうか
意味:目上の人に、知識や方法などを教えてもらうことを丁寧にお願いする表現です。
例文:大変恐縮ですが、こちらの件についてご教示いただけますでしょうか。
まとめ
「お教えいただけますでしょうか」は、ビジネスシーンで相手に何かを教えてもらう際に丁寧かつ謙虚に伝えることができる便利な表現です。二重敬語ではなく、正しい使い方です。状況に応じて適切な言葉を使い分けるようにしましょう。