ビジネスの場で「ご査収いただけますと幸いです」と目にすることがありますけど、どういう意味なんでしょうか?ここで説明をしていきますね。
「ご査収」(ごさしゅう)は社内・取引先において、主にメール・文書の書面上で使う言葉です。意味としては「書類を一緒に送付したので確認をしてくださいね」と相手にチェック・指導をしてもらいたい時に使う言葉です。「いただけますと幸いです」は、してもらえるとうれしいですという意味です。丁寧・やわらかく依頼をする表現ですね。
「ご査収いただけますと幸いです」を使う時に、丁寧にするにはどうしたらいいか?やわらかい印象にするにはどうしたらいいか?をまとめてみました。シチュエーションに適した言葉遣いができるといいですね。「ご査収」の使い方についてご参照いただけますと幸いです。
「ご査収」とは
「ご査収」意味についてみていきましょう。
「査」は「調べる」という意味。
「収」は「手に入れる、自分のものとして受け入れる」という意味です。
つまり「査収」は「調べた上で受け取る」ということになります。
まずは「ご査収」の意味を理解して、使い方を学ぼう!
使い方をまとめてみました♡
メールや文書に必ず見てもらいたい書類・資料を添付した時、相手に対して「ご査収」を使います。「大切な書類を添付したので確認したうえで受け取ってください」という意味になります。会話でも使うことはあります。
必ず見てもらいたい書類とは、
例えば、見積書・請求書・領収書・大切な資料。相手のチェックや確認が必要な書類のことです。
相手のチェックや確認が必要な書類がない時には「ご査収」は使いません。
相手のチェックや確認が必要ではないけど、相手に見てもらいたい時の言葉遣いはなんですか?
「ご覧ください」「お目通しください」を使うといいですね。
後述しています♡
「査収」の読み方
「査」は「さ」と読みます。「木」の部首の下に「且つ(かつ)」をあわせます。
「収」は「しゅう」と読みます。よく使われている単語としては「収納(しゅうのう)」の「しゅう」にあたる部分です。
あわせて「さしゅう」と読みます。
「ご査収いただけますと幸いです」二重敬語なのか?
「ご査収いただけますと幸いです」が、二重敬語なのかみていきましょう。
「ご査収いただけますと幸いです」→「ご〜です(する)」になります。
「お〜する」 →駅までお送りします。
「ご〜する」→ご連絡します。
補助動詞の「する」をつけて謙譲表現になります。
「お〜いたす」→のちほど、お伝えいたします。
「ご〜いたす」→ご案内します。
「お〜いたします」→荷物をお持ちいたします。
「ご〜いたします」→ご案内いたします。
さらに「いたす」は「する」の謙譲語のため、より謙譲表現になっていますね。
「お〜する」「ご~する」「お〜いただく」「ご〜いただく」「お〜いたします」「ご〜いたします」は謙譲表現です。「ご査収いただけますと幸いです」は、二重敬語ではなく、適切な使い方なので使っても問題はありません。
「ご査収いただけますと幸いです」とは
「ご査収いただけますと幸いです」についてみていきましょう。
・「ご査収」は「書類を一緒に送付したので確認をしてくださいね」という意味です。
・「幸いです」には「そうしてもらえるとありがたいです」「なにとぞ」という意味です。丁寧にやわらかく依頼をする表現ですね。
上記をあわせると!
→書類を送付したのでチェックしてもらえるとありがたいですという意味になります。
※相手の都合を考えた謙虚な言葉遣いですが、”確認をしてくれたらうれしいけれど、確認をしてくれなくてもいい”という意味をそのまま受け取られてしまうことがあります。
だとしたら…どうしたらいいのか?
「相手に確認をしてもらいたいこと」をより強く伝えるには!
どうしたらいいのかな?順番にみていきましょう!
「ご査収いただけますと幸いです」丁寧で伝わりやすくするには?
「ご査収いただけますと幸いです」を使い、丁寧に、かつ強く「相手に確認をしてもらたいこと」を伝えるにはどうしたらいいのかみていきましょう。
1.「ご査収いただけますと幸いです」に「どうぞよろしくお願い申し上げます」を加える。
2. 「お忙しいところ恐縮ですが、ご査収いただけますと幸いです」クッション言葉 を使う。
3.「ご査収いただけますと幸いです」の言い換えを使う。
「ご査収いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます」
「ご査収いただけますと幸いです」のあとに「どうぞよろしくお願いいたします」や「何卒(なにとぞ)よろしくお願い申し上げます」をあわせてみましょう。
・ご査収いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
・ご査収いただけますと幸いです。何卒(なにとぞ)よろしくお願い申し上げます。
「何卒(なにとぞ)よろしくお願い申し上げます」とは相手に強く依頼をする時に使います。「何卒」は「どうか」「ぜひ」の意味です。メールの結びの言葉としてよく使われますね。
【社外での会話】
メールに確認していただきたい資料を添付いたしました。
お手隙の際にご査収いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
かしこまりました。確認させていただきます。
「お忙しいところ恐縮ですが、ご査収いただけますと幸いです」
「お忙しいところ恐縮ですが、ご査収いただけますと幸いです」のように、はじめにクッション言葉 をつける言い回しをみていきましょう。
【社外での会話】
お忙しいところ恐縮ですが、ご査収いただきますと幸いです。
かしこまりました。早急に確認いたします。
「お忙しいところ大変恐縮ですが」を加えると相手のことを気遣う気持ちが伝わりますね♡
【クッション言葉】
・お忙しいところ恐縮ですが
・お忙しいところ恐れ入りますが
・お忙しいところ大変恐縮ですが
・お忙しいところお手数おかけしますが
・お忙しいところ申し訳ございませんが
クッション言葉を使うことで、やんわり依頼ができますね!
クッション言葉の使い方についてよろしければご覧ください♡
「ご査収いただけますと幸いです」の言い換え
「ご査収いただけますと幸いです」の言い換えをみていきましょう。
「ご査収のほどよろしくお願い申し上げます」
「ご査収のほどよろしくお願いいたします」
社内、社外で使える丁寧な言葉遣いです。「〜のほど」でやわらかい表現になります。
「ご査収いただきますよう、お願いいたします」
「ご査収いただきますよう、お願い申し上げます」
「ご査収いただきますよう、よろしくお願い申し上げます」
「ご査収くださいますよう、よろしくお願い申し上げます」
「ご確認いただきますようお願い申し上げます」
「ご確認くださいますようお願い申し上げます」
「確認をし、受け取ってくださいませんか」というとても丁寧な依頼の表現です。
「ご査収」の言い換えと例文
「ご査収」の言い換えと例文をみてみましょう。
「お目通し」(おめとおし)
はじめから最後までみてもらう、確認をしてもらうことです。
・明日使う資料ですので、お目通しいただければと存じます。
→意味は、最後まで目をとおしてくださればと思います。
「存じます」は思うの謙譲語です。
「ご高覧」(ごこうらん)
「ご覧ください」をより丁寧にした言葉遣いです。
・ご高覧いただきましてありがとうございます。
→意味は、ご覧いただきましてありがとうございます。
「ご高覧」は目上の人(かつ社外の人)に対しての言葉遣いですが、社内・身内向けではありません。
「ご査収」が適切に使えているか、チェックするには?
「ご査収」が適切に使えているか、チェックする方法とは、ほかの言葉に置き換えることです。チェック項目は1・2です。
- 必ず見てもらいたい書類・資料があるのか。
- 「ご査収」を「確認して受け取る」or「理解して受け取る」に置き換えてみる。
「ご査収いただきますようお願いいたします」で例をあげています。
まとめ
「ご査収いただけますと幸いです」とても丁寧な言葉遣いですが、さらに相手に伝わりやすくためにはどうしたらいいのか、まとめてみました。
クッション言葉については、使い慣れない言葉を適切に使うことは難しいのですが、本記事にあげた代表的なクッション言葉を会話中に少しずつ入れることで、会話が全体がやわらかくなります。クッション言葉を使えるようになると、丁寧な人だと思われること、良好な人間関係が構築できることなど、たくさんいいことがあります。クッション言葉も上手に使っていきましょう。