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「上の者に申し上げておきます」ビジネスシーンでの正しい使い方、言い換え

言葉遣い

「上の者に申し上げておきます」は、ビジネスシーンでよく聞く言葉です。しかし、正しく使いこなせている方は意外と少ないのではないでしょうか。

「申し上げる」は「言う」の謙譲語です。目上に何かを伝言する時に使います。しかし、ビジネスシーンでは、より丁寧な言い方や、相手の気持ちに配慮した言い方を使うことが大切です。

そこで、このブログでは「上の者に申し上げておきます」の正しい使い方と、言い換えについて具体的な例文と合わせて解説します。

「上の者に申し上げておきます」2つの意味

「上の者に申し上げておきます」の読み方は「うえのものにもうしあげておきます」

「上の者」とは、自分よりも目上の人を指す言葉です。

「申し上げておきます」は「言う」の謙譲表現です。「おきます」はこれから起きることを予想するという意味です。

「上の者に申し上げておきます」とは、目上の人に伝言することの意味です。

ビジネスシーン「上の者に申し上げておきます」使うニュアンスはだいたい2つの意味になります。

「上の者に伝えておきます」の意味

「上の者に伝えておきます」は、目上の人に伝えることの意味で丁寧な表現です。

取引先からの電話対応で、担当者が不在時、代わりに伝言する時、「上の者に伝えておきます」と伝えるのが一般的です。

※この時に注意するのが、お客様や取引先の相手(身内以外)に対して使う場合は、「上の者に申し伝えておきます」「上の者に申し伝えますとするのが正しい表現となります。

「上の者が決めてください」の意味

「上の者が決めてください」は、目上の人に判断を委ねる(ゆだねる)ことを意味する丁寧な表現です。

部下から何か相談を受けた際に、「上の者に相談してください」と伝えることで、部下が自分で判断するのではなく、上の人に相談するよう促すことになります。

「上の者が決めてください」とは、上司の判断を尊重しているニュアンスにもなります。

【社内での会話】

後輩
後輩

提案ですが、今の企画の進捗に関して、次のステップとしてこう進めるべきだと考えています。

先輩
先輩

そうですね。でも、この提案については上の者に申し上げておくべきだと思います

※ここで「上の者に申し上げておきます」が使われています。これは、提案があるが、最終的な決定権限は上の者にあるため、上司に相談し、了解を得る必要があることを示唆しています。

お客様から何か言われた時に、ついつい「上の者に申し上げておきます」と言ってしまいます。

その場面での使い方も、みていきましょう。

「上の者に申し上げておきます」使う時

「上の者に申し上げておきます」を使う時とは、社内の目上の人に対して、何かを伝える際に使います。

以下のシーンで使います。例文をみながら考えていきましょう。

代わりに伝言する時

【取引先からの電話対応中、担当者が不在時、代わりに伝言する時】

取引先の人
取引先の人

部長の田中さんにいらっしゃいますか?ご不在でしたら、伝言お願いいたします。

ただいま、席をはずしておりますので、伝言を上の者に申し上げておきます。

この時の「申し上げておきます」はNGです。「伝言を田中に申し上げておきます」としてもNGです。

取引先、お客様との会話で「上の者に申し上げておきます」を使う際は、以下の点に注意しましょう。

「上の者に申し上げておきます」は、お客様や取引先の相手に対して使うと、誤った表現となります。

・「申し上げる」は「言う」の謙譲語で、目上の人に対して言葉を発することを指すため、お客様や取引先の相手を差し置いて、身内である上司を立てることになるためです。


・お客様や取引先の相手に対して使う場合は、「上の者に申し伝えておきます」「上の者に申し伝えます」とするのが正しい表現です。

社内の人間を立てるような言い方になってしまうため、社外の人がいる場面では、使用しないようにしましょう。

上司に相談する時

上司
上司

A社との取引、○○部の上長に依頼しておくようにお願いします。

部下
部下

かしこまりました。○○部の上長に申し上げておきます。

「上の者に申し上げておきます」の類語として、「申し伝えます」や「ご報告申し上げます」などが挙げられます。

社内の目上の人に対して、伝える時なので適切な使い方です♡

上司から相談をされた時

上司
上司

A社との取引、どうしようかと考えております。どう思いますか?

部下
部下

私で対応するのが難しいので、〇〇部の上長に申し上げておきます。

上司
上司

なぜですか?

※「言葉足らず」でのコミュニケーションは、相手が正確に理解できないので気をつけましょう。

社内で目上の人に対して、何かを伝える際に使うので適切なのですが…しかし、角が立ちます。

【言い換えたパターン】

上司
上司

A社との取引、どうしようかと考えております。どう思いますか?

部下
部下

私としては、まずは上司の判断を仰ぎたいと思います。私で対応するのは難しいと感じております。私としては、○○部の上長と協議したほうがよいと考えております。

上長には私の意見や提案も含め、適切なアクションを検討いただけますでしょうか。

上司
上司

○○部と協議した結果、どのような解決策が得られそうか?

部下
部下

○○部と協議した結果、以下の解決策が得られそうです。

※上司から相談された際には、時間をかけて検討するようにしましょう。すぐに答えを出すことで、上司の判断や意向を尊重していないように受け取られる可能性があるためです。

使い方が難しいですね。

言い換えが使えるようになるといいですよ♡

「上の者に申し上げておきます」言い換えと例文

「上の者に申し上げておきます」を使うと、今までみてきたとおりルールがあるため、難しく感じたかと思います。

下記の表現は、「上の者」という言葉を使わずに、目上の人に何かを伝えることを表現できます。相手や状況に合わせて、適切な表現を選ぶようにしましょう。


・○○様にお伝えしておきます。

・○○様にお伝えいたします。

・○○様にご連絡いたします。

・○○様に申し伝えておきます。

・○○様にご報告いたします。

・○○様にご返答いたします。

よく使いそうな例文を挙げました♡

【例文】


取引先に連絡したいことがある時
「会議の件については、私からA社の〇〇様にお伝えしておきます」使うことができます。

社内で上司に報告する際
「○○の件で、○○様にご報告いたします」
「○○の件で、○○様にご連絡いたします」
「○○の件で、○○様にお伝えしておきます」
「○○の件で、○○様にご返答いたします」

メールで上司に依頼する際
「○○の件、○○様にご連絡いたします」

取引先からの電話で、担当者が不在の場合、代わりに伝言する時
「かしこまりました。担当の○○に折り返します」
「かしこまりました。担当の○○からご連絡いたします」
「かしこまりました。担当の○○に申し伝えておきます」

まとめ

「上の者に申し上げておきます」についてまとめてみました。相手との関係性、その場に取引先の人や社外の人がいないことなどを考慮して使うようにしていきましょう。

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今日も一緒に言葉を学んで、相手を思いやる言葉遣い、適切な言葉遣いでコミュ力を上げていきましょう♡

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